2014 Fiscal Year Annual Research Report
胆嚢・胆管系形成におけるSOX17の機能解析とSOX17遺伝子改変マウスの応用
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14J10718
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小澤 秋沙 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | Sox17 / 胆嚢 / Shh / 筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sox17ヘテロ胆嚢ではSox9発現が増加すること、さらに胆嚢上皮形態からSox17ヘテロ胆嚢が胆嚢管化している可能性を検討するために、マイクロアレイ解析をおこなった。その結果、野生型胆嚢と比較してSox17ヘテロ胆嚢で発現が増加した遺伝子のうち約64%、低下した遺伝子のうち約80%が、野生型胆嚢と比較して野生型胆嚢管で変化した遺伝子と一致しており、Sox17ヘテロ胆嚢の胆嚢管化が遺伝子発現レベルで示唆された。さらに、Sox17の下流に働く可能性がある発現が低下した遺伝子の上位にSonic hedge hog(shh)があり、これまでに様々な器官や組織で形態形成に関わっていることが報告されていることから、胆嚢・胆管形成にも関与しているのかを検討した。Shhは胆嚢上皮での発現もSox17と一致し、PtchやGliは発現時期は同様であるが、上皮ではなくその周囲の間葉系の3~4層の細胞に限局して発現していた。さらにShh KO マウス胎仔解析から、Shh+/-、Shh-/-の胆嚢上皮ではSox17の局在が確認された。 次にShhが胆嚢・胆管形成にどのように関わっているのかをShh KOのさらなる解析によって検討した。Shh欠損により、筋が欠損することが報告されていることと、Sox17ヘテロ胆嚢周囲の筋層は野生型と比較して薄く、筋繊維の断裂が観察されていたことから胆嚢周囲の筋組織の形成への関与の可能性を調べた。その結果、Shh+/-では筋層は菲薄化し、Shh-/-では筋層がほぼ観察されなかった。これらの結果から、胆嚢上皮でのSox17発現の下流にはShhがあり、Shhは胆嚢上皮周囲の間葉系に影響を与え、筋層形成を促していることが、明らかとなった。 さらに胆嚢;の器官培養を用いたレスキュー実験の結果から、Shh添加によりSox17ヘテロ胆嚢における低形成が抑制されることを見出し、Shhによる胆嚢周囲組織での筋形成により胆嚢上皮の形態形成に影響を与える可能性があると考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(1 results)