2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J10828
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 兼三 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 量子光学 / 量子エレクトロニクス / 量子情報 / 量子計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では交付申請書記載の通り、オンデマンド単一光子源によって、多光子干渉を実現することが目的である。従来の単一光子源は、光子の放出タイミングがランダムであり、それを多光子干渉に応用するのは干渉頻度と安定性の点で困難であった。本研究では、連結型の光共振器を用いることで光子を保存することが可能になり、複数の単一光子が光子干渉計へ入射するタイミングを同期する装置を開発した。これは大規模な光子干渉ネットワークを用いた量子情報処理の実現へ向けた大きな一歩となる。 今年度は当初の計画通り、第1ステップの2光子干渉に取り組み、その実証実験を成功させた。まず、過去に高性能な単一光子源を実現したカルガリー大学A. Lvovskyグループの元へ訪問し、実験に必要な電気回路などの最新技術を習得した。次に、その技術を本研究の光学系の全自動安定化などに向けて発展させ、2光子干渉の実験セットアップを組み、実証実験を成功させた。本実験成功の鍵は、これまで困難であった長時間・多数回の安定した繰り返し測定が可能になり、検証に十分な測定精度を得た点である。 また、本研究の単一光子源の最適化を行う上でベースとなった、連結型光共振器による単一光子発生の理論とこれまでの実験結果は、平成26年6月の国際会議CLEO:QELS 2014にて口頭発表を行った。さらに2光子干渉現象に関しては、共同研究者の橋本らとともにアメリカ光学会の定期会議(Frontiers in Optics)にて口頭発表を行った。光子の保存時間などのパラメーター依存性に関する実験結果は、平成27年6月の国際会議CLEO/Europe 2015での口頭発表が確定している。加えて、本研究成果は論文執筆段階にあり、ジャーナルに投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、交付申請記載の「2光子干渉」の実証実験に成功し、申請時の第1ステップの目標を実現させたから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、量子情報処理への応用に向け、より多光子を利用した実験へ拡張する。
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Research Products
(11 results)