2015 Fiscal Year Annual Research Report
Enterococcus hirae由来V型ATPaseの回転機構の解明
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14J10948
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
皆川 慶嘉 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | V1-ATPase / 分子モーター |
Outline of Annual Research Achievements |
私はこれまで、Enterococcus hirae由来のV1(EhV1)の回転運動を観察し、ATP濃度に依存せずに120°毎に3つの停止点を示しながら1方向に回転することを明らかにした。これらの停止点で固定子(A3B3)の3つの触媒サイトではATP加水分解の反応素過程(ATP結合、ATP開裂、ADPの解離、Piの解離)のいずれかが起こっている。これら反応素過程と機械的な回転運動は強く共役しているため、どの停止点でどの反応素過程が起こっているか同定することは非常に重要である。そこで、蛍光でラベル化されたATP(Cy3-ATP)と回転軸DFに結合させた金コロイドの回転を同時に計測することによって、ATPの結合及びADPの解離と機械的な回転運動の関係を調べた。 結果として、Cy3-ATPの結合及びCy3-ADPの解離はそれぞれ最初の120°ステップ(0°~120°)と最後の120°ステップ(240°~360°)と同期していることが分かった。次に、120°ステップのどのタイミングでそれらの反応が起こっているか調べるため、ステップ直前直後の2点の蛍光強度を詳細に解析した。0° dwellの最後の点と120° dwellの最初の点の間で、蛍光強度は急激に上がっていた。対して、240° dwellの最後の点と360° dwellの最初の点の間では、蛍光強度が下がっていなかった。更に、カメラの撮影速度を60 fpsから150 fpsに上げると、360°dwellの最初の点の蛍光強度は上がった。 これら結果はATPの結合は120°ステップと厳密に同期していることを示している。また、ATPの結合が0°で起こると、ADPは360°で解離することも示している。そのため、ATPの結合に起因してADPの解離が起こっており、ATPの結合とADPの解離には明確な順番が存在していることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)