2014 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の芸術運動と展示空間に関する研究:都市と環境を中心に
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14J10989
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 泰岳 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / アメリカ合衆国 / 芸術運動 / ミュージアム / アーカイブズ / 芸術の総合 / インターメディア / 環境芸術 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度にはこれまでの発表内容と成果をあわせた博士論文『戦後日本の芸術運動と展示空間に関する研究:伝統・デザイン・環境』を東京大学に提出した。本論文はアジア太平洋戦争後(以下、戦後)における日本および関係する国外の芸術運動とそれらが実際に提示された展示空間を扱っている。特に1940年代後半から1970年前後までのアメリカ合衆国をはじめとする諸外国との国際文化交流に焦点を当て、展示空間の分析を通じて戦後日本の芸術運動における造形表現の相互的な影響関係について明らかにした。 また上記と並行して今年度は「空間から環境へ」展(1966年)を中心とした一連の成果に関する発表を行った。具体的には展覧会の図面や写真、文書等の資料を利用しこの展覧会が主題とした「環境」という概念について検証した。この成果については2014年9月にニューヨークで開催された国際学会 "For a New Wave to Come: Post-1945 Japanese Art History Now" で口頭発表を行った。さらにこうした発表を基礎として『日本建築学会計画系論文集』に論文を投稿し2014年10月に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は事例とする展覧会に関する資料調査とその成果の発表を通じて当初の計画以上の進度で研究を遂行することができた。またその過程でコロンビア大学を拠点とした研究活動を行い資料収集を中心とした調査をすすめることができた。現在は平成26年度の成果を深めながら新たに発見した資料の分析を加え学術雑誌へ論文を投稿することを計画している。本研究は建築史研究と美術史研究に関連する学際的な成果を示すことを目指しており今後の議論も期待される。以上の理由より当初の計画以上の研究の進展があったと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度はひきつづきニューヨークと東京を拠点とした資料収集と整理を行うとともに、国内外の学会での口頭発表と論文の投稿を並行して行う。詳細を以下に記す。 2015年4月~2015年9月:ニューヨーク近代美術館(MoMA)およびコロンビア大学エイヴリー図書館(Avery Architectural and Fine Arts Library)のアーカイブズにて調査を継続的に行う。 2015年10月~2016年3月:収集した資料の整理を行い論文を発表する。
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Research Products
(3 results)