2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞との情報授受を行う機能性架橋点を持つ3次元ポリマーネットワーク
Project/Area Number |
14J11133
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 悠加 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / リン脂質ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに様々な知見を得ていたマウス間葉系幹細胞(C3H10T1/2)に加え、マウス線維芽細胞(L929)を細胞やたんぱく質と相互作用のないことで知られているリン脂質ポリマーハイドロゲルに内包しその増殖率を測定した。幹細胞と異なり、足場依存性の増殖を示すことで知られているL929についてもリン脂質ポリマーハイドロゲル内での増殖が認められた。この2種類の細胞の増殖率を比較することで細胞種によって異なる増殖率の貯蔵弾性率依存性があることがわかった。これらの細胞に対して細胞-タンパク質間の接着に関わる膜タンパク質であるインテグリン、および細胞―細胞間の接着に関わる膜タンパク質であるカドヘリンの発現量を測定した。インテグリンの発現量については、細胞種、増殖率のいずれについても相関は得られなかったが、カドヘリンの発現量については増殖の抑制された細胞について発現量が増加することがわかった。これらの結果は細胞の増殖が周囲から与えられる圧力により制御されているのではないかという仮定を支持するものであると考えられる。特に、今回細胞の増殖に変化がみられる貯蔵弾性率の範囲が細胞の弾性率として報告されている弾性率と近い値であること、またカドヘリンの発現量が特に影響されることから細胞は自身の固さと同等の固さの周辺環境におかれることで増殖を停止するのではないかと考えられる。このため、今後の応用を考えると周辺環境は内包する細胞に合わせた弾性率を有することが望ましいが、このリン脂質ポリマーハイドロゲルは架橋点部位となるフェニルビニルボロン酸の密度で弾性率を制御することが可能であるため適応することのできる範囲は広い。さらにサブマイクロメートルオーダーのポリマー微粒子をリン脂質ポリマーで架橋する方法を確立したため、今後はさらにシグナル分子を架橋点に付与することも可能となる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)