2015 Fiscal Year Annual Research Report
アカマツのアレロパシーとアレロケミカルに関する研究
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14J11168
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
木村 蕗子 香川大学, 農学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | アレロパシー / アカマツ / 生長抑制物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.アレロパシー候補物質の定量実験の分離条件の検討:アカマツ土壌を80 %含水メタノールおよびメタノールで抽出し,抽出液を液‐液分配(水-酢酸エチル)およびシリカゲルカラムで分離した.得られた酢酸エチル画分をそれぞれ40 %含水メタノールからメタノールを①5 %刻み,②10 %刻み,③20 %刻みで増加させる段階溶出の3種の溶媒条件でC18カートリッジに供した.方法③はC18カートリッジで分離後,HPLC(YMC-Pack ODS-AQ)に供した.HPLC(Inertsil ODS-3)を用いてアレロパシー候補物質のピークを確認したところ,方法①,②では定量に十分な分離ができなかったが,方法③ではアレロパシー候補物質の単一のピークが検出された.
2.アカマツ土壌に含まれるアレロパシー候補物質の定量:アカマツ土壌から単離した2種のアレロパシー候補物質のアカマツのアレロパシーに対する寄与を明らかにするため,これらの物質を定量した.アカマツ林土壌および広葉樹林の土壌を上記の条件で抽出および分離した.その結果,methyl 15-hydroxy-7-oxo-dehydroabietateおよび7-oxodehydroabietic acidはアカマツ林の土壌乾重量1 g当たり約20 μg含まれていたが,広葉樹林の土壌ではどちらも1 μg未満であった.また,この濃度はアカマツのアレロパシーをmethyl 15-hydroxy-7-oxo-dehydroabietateは約3 %,7-oxodehydroabietic acidは約20 %説明した.このことから,2種のアレロパシー候補物質以外にもアレロパシー物質が存在しており,これらの活性物質が複合的に作用することによりアカマツのアレロパシー現象を発現していることが示唆された.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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