2014 Fiscal Year Annual Research Report
海洋炭素循環を駆動する凝集体ポンプの微生物制御機構
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14J11296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 洋輔 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 凝集体 / 細菌 / 海洋 / 炭素循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度に取り組んだ内容は以下のとおりである。 課題I. 微生物による凝集体の大型化促進機構の解明:(1)凝集体の濃度変化、(2)凝集体の顕微鏡観察、(3)微生物群集の活性の経時的測定、(4)微生物数、細胞外酵素活性、海水中栄養塩濃度を測定した。これらのパラメータと凝集体大型化の関連性および、それぞれの寄与についての検討を行った。 課題Ⅱ. 凝集体上の微生物種の同定および環境条件変化に伴う凝集体の大型化促進効果の評価:CARD-FISH法 (Pernthaler et al. 2004)を用いて、沿岸細菌群集によって大型化した凝集体の付着細菌種の同定を行った。その結果、特定の細菌種が大型化に大きく寄与している可能性を見出した。 課題Ⅲ. 現場海洋環境における凝集体と微生物群集把握、および凝集体ポンプの定量的解析:2012年に観測された西部北極海における研究航海(MR12-E03, JAMSTEC)のデータを用い、凝集物および細菌に関するデータの解析を行った。具体的には、光学的に測定した現場海水中の有機凝集体の存在量、および海水を濾過後、測定した細菌存在量の分布および相互作用について検討を行った。また、2013年に行った太平洋熱帯・亜熱帯域の研究航海(KH13-7, JAMSTEC)により、現場海水中の有機凝集体の存在量を測定した。 以上によって得られた結果は、取りまとめた上、国内外における学会において発表を行った 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した課題IからⅢの全てにおいて大きな進展がみられ、本研究目的の半分以上は達成されたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
各種パラメータを変化させた時の凝集体大型化効果の検証をさらに行い、異なる細菌株を用いた実験も行う。
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Research Products
(2 results)