2016 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分のプロテインチロシンホスファターゼ1Bの阻害を介した抗糖尿病作用の解析
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14J11349
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前田 歩海 神戸大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | グルコース取り込み / ベージュ化脂肪細胞 / シグナル伝達 / 香辛料 / ピペリン |
Outline of Annual Research Achievements |
グルコース取り込みを促進する香辛料としてブラックペッパーおよびホワイトペッパーの主辛味成分であるピペリンに着目し、グルコース取り込み促進作用の機序解明を行った。これまでにピペリンがインスリンシグナル経路ではなくAMPK経路を介してグルコース輸送担体であるGLUT4の膜移行を誘導することを明らかにした。そこで、当該年度はその上流域におけるピペリンの影響を検証した。CaMKKbeta阻害剤であるSTO-609およびカルシウムキレート剤であるBAPTA-AMによりAMPKのリン酸化がキャンセルされた。したがって、ピペリンはCaMKKbetaを介してAMPKを活性化する可能性が示唆された。また、マウスにおけるピペリンの効果についても検証をおこなった。ピペリンを単回経口投与した1時間後にグルコース負荷試験を行ったところ、血糖値低下作用が認められた。ピペリンを投与後1時間後に採取した筋肉ではAMPKの活性化が認められた。以上の結果より、ピペリンは生体内においてもAMPKの活性化を介して糖を取り込むことで血糖値低下作用を示すことが明らかとなった。 褐色脂肪組織様の機能を有したベージュ化脂肪組織はエネルギーを消費し熱産生を行うため、抗肥満効果が期待されている。そこで、ピペリンによる白色脂肪組織のベージュ化を検討した。3T3-L1マウス線維芽細胞を脂肪細胞に分化させピペリンを24時間作用させたところ、ベージュ化のマーカータンパク質であるUCP-1やPRDM16の発現量が増加した。さらに、マウスにピペリンを混餌で1週間与えたところ、精巣上体脂肪組織において褐色脂肪細胞化マーカーであるUCP1の発現量が上昇した。したがって、生体内においてもピペリンが白色脂肪組織の褐色細胞化を誘導していることが示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)