2014 Fiscal Year Annual Research Report
実世界で稼働するロボットのためのマルチモーダル属性の推定
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14J11476
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 大毅 東京工業大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ロボット / マルチモーダル / 属性 / ニューラルネットワーク / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,自律知能ロボットを実現するための,マルチモーダル属性の学習及び推定手法の構築である.特に,ロボットから得られたマルチモーダル情報を用いて,物体や環境が持つ属性を推定し,それを活用する手法の構築を目指している. 本研究でのマルチモーダル情報とは,カメラから得られる画像データや,マイクから得られる音声データ,触覚センサーから得られる物体などの硬さに関するデータ,腕などに搭載されたモーターから得られるロボットの動作に関するデータなど,様々なものが挙げられる.本研究における具体的な研究内容を以下に列挙する. 1.ロボットから取得された様々なモダリティ情報を用いて,物体や環境に関する属性をそれぞれ推定して,算出された複数の推定結果を効果的に統合させる基盤技術に関する研究 2.推定された属性情報を活用するための,ロボットから取得される動作情報の効率的な学習手法に関する研究 平成26年度では,特に上記1のマルチモーダル属性の推定手法に関する研究を実施した.具体的には,様々なセンサから得られた属性値の度合いを統合する手法を提案した.結果として,従来手法や単純な統合手法と比べて,認識精度が高く,且つ高速な手法を実現した.更に,実機のロボットに提案手法を実装して,身近な物体の属性を推定させる実験も試みた.これにより,例えば,学習していない“紙コップ”を掴むように命令された時,事前に「円筒形である」「紙で出来ている」「柔らかい」「軽い」などの属性を推定することができ,「紙で出来ている」「柔らかい」などの属性から紙コップを潰さないように優しく対象物体を扱う動作を選択できるようになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的であるマルチモーダル属性の推定に関して,手法の提案,実験,及び検証が計画通りに終わったためである.更に,基盤技術となる属性推定に関する学術論文の採録,コンピュータービジョンにおいて権威のある国際学会での発表,更にはニューラルネットワークにおいて権威のある国際学会からの採録を頂けたことも理由として挙げられる. また,画像情報から3Dモデルの推定を行うフォトメトリックステレオに関して,中国にあるMicrosoft Researchで研究を実施した.この研究は,ロボットの単眼カメラ映像から物体の形状を推定させる技術などへの応用が期待でき,ロボットのための属性推定に関する当初の計画以上の知見を得ることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度では,ロボットが持つマルチモーダルセンサより推定された属性結果を効果的に活用するために,ロボットの動作に関する研究を実施する予定である.特に,様々なロボットに対して動作情報を適応させることが可能となるような,動作情報に関する効率的な学習手法について研究を実施したいと考えている.具体的には,単純に動作情報の学習を行うのではなく,他のロボットと動作情報を共有できる手法の構築を検討している.
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Research Products
(8 results)