2014 Fiscal Year Annual Research Report
インデノピラゾール骨格を基軸とした新しい創薬化学とケミカルバイオロジーの展開
Project/Area Number |
14J11488
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
峯岸 秀充 学習院大学, 理学部, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
|
Keywords | Tubulin / インデノピラゾール / Morphobase profiling / ChemProteoBase profiling / 低酸素誘導因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常組織では血管網が発達しているため栄養や酸素が十分に供給されているが、がん組織ではがん細胞の増殖が血管網の発達よりも速いために血管の発達が未熟となる。その結果、酸素ががん組織に十分に送達されなくなるため、がん組織には低酸素環境が存在している。この環境下で働く低酸素誘導因子(HIF)-1は病的血管新生などを誘導し、がんの悪性化に関与するため、がん治療の分子標的として注目されている。 本申請者は、インデノピラゾール化合物に着目したHIF-1阻害剤の開発を行い、GN44028の開発に成功している。このHIF-1阻害剤の開発における構造活性相関研究においてHIF阻害活性を示さなかったインデノピラゾール化合物が非常に強力な細胞増殖抑制作用を示すことが明らかとなった。このことから、更なる細胞増殖抑制活性の向上と活性を示す構造を特定するための構造活性相関研究を行い、その作用機序の詳細な解析を目的とした研究を行うこととした。 インデノピラゾール化合物誘導体を合成し、MTTアッセイにより細胞増殖抑制活性を測定した結果、GN39482が最も強い活性を示した。次にGN39482の作用機序解明のためMorphobase profilingとChemProteoBase profilingによる解析を行った結果、微小管に作用することが示唆された。そのため、tubulin重合に対する影響を解析した結果、インデノピラゾール化合物がtubulin重合を阻害し、細胞の微小管形成を阻害していることが確認された。これらの結果から、インデノピラゾール化合物はtubulinの重合を阻害することで細胞増殖抑制作用を示していることが明らかとなった。 以上の結果からインデノピラゾール骨格は置換基の種類と導入する位置を変換することで様々な生物活性を誘導することのできる非常に有用な骨格であり、更なる構造活性相関研究によって、新たな生物活性を示す可能性が十分にあると考えられる。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)