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2015 Fiscal Year Annual Research Report

相互効果パネルデータモデルにおける効率的な推定量の開発

Research Project

Project/Area Number 14J11635
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

岩倉 相雄  東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2014-04-25 – 2017-03-31
Keywordsパネルデータ / 多操作変数問題 / Jテスト / 不均一分散
Outline of Annual Research Achievements

操作変数が多い場合、通常の操作変数推定では、推定や検定の精度が落ちる可能性がある。これを多操作変数問題と呼ぶことにする。線形の動学パネルモデルにおいては、被説明変数のラグ値やその変換を操作変数として用いるが、パネルデータが時系列方向に長い場合、ラグ値が多くなり、多操作変数問題を引き起こす。平成27年度は、この多操作変数問題について研究し、その動学パネルへの応用について考えた。
(1)まず、モーメント条件の妥当性を調べるJ検定について考えた。操作変数が多い場合、Jテストのサイズに歪みが出る可能性が数値実験で指摘されている(例えば、Bowsher(2002))。そこで、Anatolyev and Gospodinov (2010)は、クロスセクションの回帰モデルにおいて、操作変数が多い場合の漸近論で、Jテストのサイズが名目よりも小さくなることを理論的に示し、その結果に基づき修正Jテストを提案している。これらの理論的結果はクロスセクションデータを前提としているため、動学パネルモデルでも成立するかどうかは分からない。そこで、本研究では、動学パネルモデルで数値実験を行い、Anatolyev and Gospodinov (2010)の結果が数値実験上、妥当であることを示した。
(2)また、クロスセクションのモデルにおいて、操作変数が多い場合の推定量の漸近的性質についてサーベイを行った。サーベイの結果、不均一分散に頑健な推定量がHausman et al(2012)で開発されているが、それはRobinson(1987)に対応するものではなく、効率的でない可能性が高い。平成28年度において、このサーベイ結果をもとにして、効率的推定量の開発を行っていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成27年度より、受入教員の勧めもあり、動学パネルモデルにおける多操作変数問題の研究に着手した。平成27年度は、サーベイと数値実験がメインとなった。数値実験は申請者の予想を支持するものであり、来年度の研究の成功を示唆している。また、サーベイにおいて、有意義な研究テーマを新たに見つけており、今後の研究成果に大いにつながるものである。

Strategy for Future Research Activity

概要で述べたように、数値実験の結果は、Anatolyev and Gospodinov (2010)の結果が動学パネルモデルでも妥当であることを示唆している。今後は、Anatolyev and Gospodinov (2010)の結果の動学パネルモデルにおける妥当性を理論的にも示していく予定である。
また、クロスセクションの回帰モデルを考え、多操作変数と不均一分散の両方に頑健で効率的な推定量をRobinson(1987)をベースにして開発する予定である。

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Published: 2016-12-27  

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