2014 Fiscal Year Annual Research Report
発達的視座からレジリエンス概念を再考する-「回復」から「成長」へ-
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14J11796
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村木 良孝 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | レジリエンス / 成長 / 尺度 / 妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、回復と成長の2次元によりレジリエンスという困難からの立ち直りに関する概念をとらえ直し、整理を行うとともに、発達的な視座からより適応的だと想定される成長型のレジリエンスの特徴を明らかにすることが目的である。 本年度前半は、まず成長型のレジリエンスをとらえることを目的として、修士論文研究において作成された大学生版の成長レジリエンス尺度の再検討を行った。その結果、成長型レジリエンスの高い個人に積極的な適応性はみられなかったものの、適切な対人関係を結べず、かつ成長レジリエンスの低い個人において、適応性の指標である主観的幸福感がが低くなることが示唆された。 本年度後半は、成人サンプルにも対応した成長レジリエンス尺度作成のため、大学生版の尺度項目への追加・精緻化を行った。そこでWeb上で成人サンプルを対象に、本研究で新たに作成された成長レジリエンス尺度の妥当性の検証を行った。その結果、既存のレジリエンス尺度との相関関係がみられ、また自己を他者より高く評価する個人において成長レジリエンスが高いことが示唆された。 本年度の成果は、回復型・成長型のレジリエンスを概念的に分離する際に必要となる成長レジリエンスを測定する尺度の作成、およびその妥当性の検討を行ったことである。今後実際に成長レジリエンスの高い個人の特徴を実証的に明らかにしていく上で、数量的に成長レジリエンスを測定できる尺度を作成できたことは、本研究の進展において非常に重要である。またレジリエンスという近年注目の集まる研究領域において新たな視点の導入に向け、意義のある研究を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目標として、成長型のレジリエンスを測定するための尺度を作成し、その妥当性を検証することであった。目的に対して、修士論文研究において作成された尺度項目の再検討に加え、再検討された項目に対して調査研究も実施することで、実証的にその妥当性を検討することができた。そのため研究目的に対して、本年度は十分に研究が進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は成長レジリエンス尺度の作成を行い、その妥当性を検討することができた。作成された尺度を用いて今後も成長レジリエンスの特徴について検討を行っていく予定である。 さらに今後は、回復型・成長型といったレジリエンスのタイプ分けを試みる予定である。その際には尺度という、個人の主観的判断にもとづいた測定方法だけではなく、客観的な達成を問うような測定方法も交えながら立ち直りのパターン分けの検討を行う。そのため先行研究のレビューを通じて、妥当な測定方法を探り、レジリエンスの概念的な分離をより明確に行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)