2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J11810
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 師也 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | X線天文学 / 白色矮星連星系 / 矮新星 / 超軟X線天体 |
Outline of Annual Research Achievements |
銀河面リッジX線放射には、白色矮星連星系からの放射が大きく寄与していると考えられる。そこで、私は2016年度に (1) 「すざく衛星による矮新星からのX 線放射」、および (2) 「モンテカルロ法を用いた超軟X線天体のスペクトルシミュレーション」の2つの白色矮星連星系の研究に取り組んだ。 (1) 銀河面リッジX線放射を構成する天体種族のひとつである弱磁場白色矮星連星系(矮新星)について、すざく衛星を用いて統一的な研究を行った。その結果、静穏時、遷移時、アウトバースト時、スーパーアウトバースト時の4 つの異なるフェイズについて、それぞれのX 線スペクトルの振る舞いから、X 線を放射するプラズマの構造がフェイズごとにどう変化するかを説明できた。この結果をまとめた論文を日本天文学会の欧文研究報告誌に投稿し、受理された。 (2) 超軟X線天体とは、20~100 eVの超軟X線帯域で輝く白色矮星連星系である。超軟X線天体からの放射は、白色矮星周囲にコロナが存在するというモデルを用いることで、その光度曲線とスペクトルを定性的に説明できていた。一方で、そのX線スペクトルは輝線や吸収線、吸収端などを併せ持つ非常に複雑な構造を持ち、解析手法で解くことは困難であったため、これまで定量的な説明はなされていなかった。そこで、私は、コロナ中の輻射の物理過程を、モンテカルロシミュレーションを用いて解くことでこの問題を解決し、白色矮星大気放射とコロナ放射を同時に合成する手法を初めて開発した。これに基づいて、これらの超軟X 線天体の複雑なスペクトルを定量的に理解し、それによって物理パラメータに制限をつけた。また、超軟X線天体のスペクトルの多様性を、白色矮星大気放射とコロナ放射の強度比の違いで説明できる可能性を示した。この結果は、高宇連第16回研究会および日本天文学会2017年春季年会にて報告を行った。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)