2015 Fiscal Year Annual Research Report
1-メチレンインデンの精密重合と主鎖に金属原子を含む新規高分子の合成
Project/Area Number |
14J11883
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂 由貴 東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
|
Keywords | アニオン重合 / 環状ジエンモノマー / 構造制御 / ラジカル重合 |
Outline of Annual Research Achievements |
1-メチレンインデン(MId)は1,3-ジエン骨格を内包する環状ジエンモノマーである。本年度は、まずMIdのラジカル重合において、ミクロ構造と重合温度の関連性を検証した。そして、DFT計算によりポリ(MId)の生成メカニズムについての考察を行った。最後に、1,2-構造に富んだポリマーを得ることを試みた。 まず、MIdのラジカル重合を70 °C、0 °Cで行ったところ、いずれも90%以上が1,4-構造のポリマーが得られた。従って、ラジカル重合では温度変化によらずほぼ1,4-構造のみからなるポリマーが得られることが明らかとなった。 次に、MIdのエキソメチレン基にメチルアニオン及びメチルラジカルを付加させ、種々の温度において、付加体のどの炭素上にラジカル及びアニオンが生じるかをDFT計算により求めた。その結果、いずれの温度においても、4位の炭素上に活性種が生じやすいことがわかった。従って、常に4位の炭素上に活性種が生じやすい、つまり1,4-構造が主構造となることが見出された。 最後に、MIdの3位に置換基を導入し、その立体障害により1,2-構造側に平衡を移動させることとした。種々の置換基を導入することを想定し、まずは最も小さいメチル基を導入した3-メチル-1-メチレンインデン (3MId)を合成、及びアニオン重合を行いミクロ構造の解析を行った。その結果、ポリ(3MId)は1,2-構造と1,4-構造の混合体であり、1,4-構造の割合は同条件で重合したポリ(MId)と比べ増加していた。これは、予想に反する結果ではあったが、MIdおよび誘導体の重合メカニズムは分子の電子的環境に大きく左右されることが強く支持される結果であると考えられる。研究計画の1つであるポリ(MId)類の構造制御には至らなかったが、構造制御に向けた知見としては十分に価値があると考えている。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(7 results)