2014 Fiscal Year Annual Research Report
直鎖状ポリユビキチン化酵素LUBACの阻害剤探索とその応用
Project/Area Number |
14J11914
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 裕樹 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 直鎖状ポリユビキチン鎖 / LUBAC / NF-kappaB / Gliotoxin |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、がんやアレルギーなどの疾患の原因となる転写因子NF-kappaBの活性化に深く関与する直鎖状ポリユビキチン鎖生成酵素LUBACの阻害剤を探索し、上記の疾患の治療に応用することを目的としている。2013年度までには同酵素の阻害剤スクリーニングを完了させており、その結果としてアスペルギルス症の原因菌であるAspergillus fumigatusが生成する二次代謝産物gliotoxinを見出し、同化合物を用いることでin vitro、細胞内のいずれにおいてもLUBAC依存的な直鎖状ポリユビキチン鎖の生成を強く阻害することが確認されている。 これらの背景をもとに、2014年度においてはgliotoxinを用いた疾患治療への応用可能性を検討した。LUBACの酵素活性が高い細胞においては、NF-kappaBの活性が高まるためか、はたまたその他の理由によるためか細胞死への耐性が高まることが示されている。近年の研究においては、上記のようなLUBACの活性が高い細胞において、抗がん剤としても汎用されるcisplatinの投与時におけるアポトーシスが抑制されることを示すデータが得られており、逆にRNAiによりLUBAC構成因子の発現量を減少させることでcisplatinへの感受性が上昇することが確認されている。以上より、私はLUBAC阻害剤であるgliotoxinを用いることでこれらの細胞のcisplatin感受性を高めることが可能であるか否かを評価した。この結果、Jurkat細胞にgliotoxinを加え、その後cisplatinを加えることで高効率なアポトーシスの誘導が可能であることをフローサイトメトリーなどにより確認した。この結果より、LUBAC阻害剤を用いることで疾患治療へと応用可能であることが強く示唆されたため、今後も更なる可能性の検討を行うことを目指したい。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Gliotoxin Suppresses NF-kappaB Activation by Selectively Inhibiting Linear Ubiquitin Chain Assembly Complex (LUBAC)2015
Author(s)
Hiroki Sakamoto, Shinichiro Egashira, Nae Saito, Takayoshi Kirisako, Simon Miller, Yoshiteru Sasaki, Tadahiko Matsumoto, Manabu Shimonishi, Toru Komatsu, Takuya Terai, Tasuku Ueno, Kenjiro Hanaoka, Hirotatsu Kojima, Takayoshi Okabe, Soichi Wakatsuki, Kazuhiro Iwai, Tetsuo Nagano
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Journal Title
ACS Chemical Biology
Volume: 10
Pages: 675-681
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant