2014 Fiscal Year Annual Research Report
食事組成と糖尿病発症の関連についての研究-妊婦と成人における調査研究とメタ解析-
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14J11939
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
田島 諒子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 栄養疫学 / 糖代謝異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.コレステロール摂取量と2型糖尿病発症リスクの関連についてメタアナリシスを実施し、海外の専門誌に発表した (Clin Nutr 2014 Dec;33(6):946-50)。
2.日本では低出生体重児の出生割合が増加している。その増加を阻止するためには母体の適切な体重増加が必要であり、妊娠中の十分なエネルギー摂取が重要である。しかしエネルギーを脂質・炭水化物・たんぱく質からどのような比率で摂取すれば、適切な体重増加と妊娠合併症の予防が両立できるか明らかではない。本研究では日本人において、妊娠初期の炭水化物摂取量のエネルギーパーセンテージ(E%)と、その後の耐糖能異常(50g糖負荷試験の「陽性」結果で評価)の関連を検討した。炭水化物摂取量の中央値が60E%の群では、より摂取量が低い群を基準としたときの「陽性」結果のオッズ比が0.52(0.28-0.96)であり、両者に負の関連が見られた。炭水化物摂取量60E%は国民健康・栄養調査の示す20-30代の女性の平均と近い値であった。日本人女性は妊娠中に糖代謝異常の予防目的で炭水化物摂取量を制限する必要はないことが示された。
3.欧米に比べて、アジアの栄養疫学研究は数が少ない。日本でもいくつかの栄養疫学研究が実施されているが、東京を中心とした大都市圏の研究は少ない。そこで本研究では、都内の病院の人間ドック受診者 (男女30-80代)を対象として食事調査を実施し、人間ドックの検査結果と習慣的な食品・栄養素摂取量の関連を評価することとした。2015年1月15日~4月15日に人間ドックを受診した男女を対象に、習慣的な食品・栄養素摂取量を「簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)」を用いて評価した。調査期間内に10000人に研究参加を依頼し、これまでに5000人近くの者が研究参加に同意し、BDHQに回答した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
炭水化物摂取量と50g糖負荷試験陽性結果の関連について、論文としてまとめ、海外の専門誌に投稿する準備を行っている。 また人間ドック受診者における研究でも、研究参加者登録が順調に進んでおり、目標としていた参加率(約30%)を超える参加者を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、現在実施中の食事調査から得られる結果と人間ドックにおける検査結果を用いて、解析を行う。栄養素(脂質・炭水化物・たんぱく質など)の摂取量と、糖代謝指標である空腹時血糖値やHbA1c、2型糖尿病と合併することの多い「非アルコール性脂肪性肝疾患」の有無の関連を評価する。
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Research Products
(2 results)