2015 Fiscal Year Annual Research Report
心配が発生するメカニズムの検討:認知心理学・神経科学的アプローチ
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14J12060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯島 雄大 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 心配 / 注意 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1では,対象に注意を向ける『捕捉』や対象から注意を引き離す『解放』といった外的な注意機能と日常生活における心配の関連について検討している。当初の計画では,今年度は前年度に引き続き,研究1-1として注意の捕捉が日常生活における心配に及ぼす影響を検討し,終了後に研究1-2として注意の捕捉が日常生活における心配に及ぼす影響を検討する予定であった。しかし,前年度の研究計画が今年度に遅延したため,研究1-1および1-2を同時に実施した。大学生61名を対象に注意の捕捉および解放を測定する課題を実施し,その後6日間の日常生活における心配を測定した。現在はこれらの実験データを分析している最中である。 また研究1と並行して研究2を実施している。研究2では,思考やイメージといった内的な事象に対する注意と心配の関連について検討している。今年度は研究2-2として,心配性者における内的な注意と日常生活における心配の関連を検討することを目的として実験を実施し,大学生68名を対象に実験を実施した。6日間日常生活の中で,内的な注意および心配について測定した。その結果,日常生活における内的な注意と心配との直接的な関連は確認されなかったが,日常生活において自己の内部に注意が向いる人ほど,不安が喚起されていることが明らかになった。このような不安の増大によって,内的な注意が間接的に心配に影響を及ぼす可能性があるため,今後の検討が必要である。日常生活における内的な注意と心配および不安について検討した研究はこれまでにほとんどないため,今回得られた結果は極めて重要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度は前年度実施した研究1-1の本実験に次いて,当初予定していた研究1-2および2-2を実施した。前年度の研究計画に変更があったため、スケジュールに多少の遅れが見られるものの,研究計画の変更にともなって,それぞれの実験を同時に実施擦すことにより,研究計画の遅れを取り戻した。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度の研究結果の一部は現在分析中である。今後は研究1-2で検討した注意の捕捉と日常生活における心配の関連のデータを解析し,その成果を学会や学術雑誌で公表していく予定である。
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Research Products
(2 results)