2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J12145
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
新保 みさ お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 体重管理 / 食行動 / 対策 / 目標指向性 / 衝動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
体重管理を行うためには、望ましい生活習慣の維持が必要である。しかしながら、日常生活には、つい食べ過ぎてしまう場面などの望ましい行動を継続することが困難な誘惑場面が存在する。誘惑場面を乗り越えるためには、個人の考え方や知識などの認知的要因が重要である。そこで、本研究は体重管理に関連する認知に着目し、今年度は3つの研究を行った。その結果、1)将来の目標指向性が現在の生活習慣と関連していること、2)食べ過ぎた後には、認知的対策と行動的対策を組み合わせる必要があること、3)男性で年齢の若い者に対する体重管理の指導では衝動性を考慮した指導が必要であることが提案された。以下に、3つの研究の概要を示す。 1.勤労者における目標指向性の高い者の生活習慣:A社健康保険組合員4,462名を対象に行った横断的自己記入式調査のデータを解析し、目標指向性と生活習慣の関連を調べた。目標指向性が高い者は、男女ともに健康な生活ができていると回答し、男性では身体活動が高く、女性では飲酒量が少なかった。さらに、健康な生活ができていると回答した者は、望ましい生活習慣を実践している者が多かった。 2.体重管理における食べ過ぎた後の認知的対策と行動的対策の関連:A県の保健所職員・健康教室参加者466名を対象に行った横断的自己記入式調査のデータを解析し、認知的対策と行動的対策の関連を調べた。行動的対策の実施には、認知的対策の1つである反省が関連しており、反省をしている者ほど行動的対策を実施していた。 3.衝動性と食べ過ぎ頻度の関連:調査会社のモニター登録者800名を対象に質問紙調査を行い、衝動性と食べ過ぎの関連について年代および性別に調べた。衝動性の合計得点は、男性において全ての年代で食べ過ぎ頻度と正の関連がみられ、特に20歳代で関連が強かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、予定通り調査を実施した他、計画よりも研究範囲を広げ、目標指向性や衝動性と食に関して研究を行った。実施した調査から得られた結果は、学術論文として投稿し、研究成果を残している。現在は、これまでの研究から得られた内容をふまえた教材の開発に着手している状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、研究計画に即して、食べ過ぎないための対策、食べ過ぎた後の対策に関する包括的な教材を完成させる。その後、教材の実施可能性を検討することを予定している。研究計画書では、国際学会での発表を計画していたが、まずは教材作成や実施可能性の研究の進行を優先させて進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)