2015 Fiscal Year Annual Research Report
大陸性気団の越境移動による生・死細菌および細菌遺伝子の拡散
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14J12227
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
村田 浩太郎 熊本県立大学, 環境共生学部, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 大気中浮遊細菌 / バイオエアロゾル / 東アジア / 長距離輸送 / 気象 |
Outline of Annual Research Achievements |
気団の越境移動に伴う生・死細菌および細菌遺伝子の広域拡散の実態を解明するため、アジア大陸沿岸(青島市)と九州西岸(天草市)において黄砂現象時の大気中浮遊粒子を採取し、その中に含まれる細菌数、生存状態ならびに種組成(遺伝子配列)を測定し比較した。2015年春季に、青島市から天草市へと黄砂が飛来した事例があり、そのときに両地点で大気中浮遊粒子試料を得ることができた。解析結果から、同一黄砂気塊においては、天草の方で大気中細菌数が多く、生存状態も高いことが分かった。また、天草と青島とでは細菌種組成も大きく異なっていたことから、同じ黄砂気塊中であっても局地的に発生した細菌の影響を大きく受けていることが示唆された。このような、離れた2地点を通過した同一黄砂気塊中の浮遊細菌を採取できた例はこれまでにないため、本結果は大気中細菌の長距離輸送の実態を明らかにする上で参考し得る唯一の事例となると考えられる。 上記観測に加え、天草市では大気中の細菌が大気中浮遊粒子のどの粒径上に分布しているのか調査した。黄砂と非黄砂の状況下で粒子付着細菌の生存状態および存在粒径範囲は微妙に異なることが分かり、大気中浮遊粒子が長距離輸送由来か短距離輸送由来(ローカルの影響)かによって共に浮遊する細菌の大気中様態も異なることを示唆する結果が得られた。 本年度はこれらの研究結果の外部への発表と取りまとめも行うことができた。アメリカでの国際学会2件に参加し、1件の口頭発表と2件のポスター発表を行った。また、論文についても現在のところ投稿中が1件、作成済みが1件、作成中が1件である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)