2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J12418
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 昌弥 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 大腸癌 / ノンコーディングRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、癌組織は多様な細胞から成っており、癌組織内には特に高い腫瘍形成能を持つ「癌幹細胞」が存在することが明らかになってきた。癌幹細胞は正常組織幹細胞のように高い自己複製能や遺伝子修復能、薬剤排出能を持ち、既存の薬剤・放射線治療に対する抵抗性が強く、転移や再発の原因となると考えられている。 申請者は大腸癌検体由来癌組織からFACSによりCD44&CD133陽性細胞(+/+細胞)とCD44&CD133陰性細胞(-/-細胞)を分取した。+/+細胞は-/-細胞に比べ①免疫不全マウスに皮下移植した際の腫瘍形成能、②無血清培地中で培養した際の自己複製能、③LGR5を含む幹細胞マーカーの発現が高いことから、+/+細胞は癌幹細胞を多く含む細胞集団であると考えた。さらに+/+細胞と-/-細胞のトランスクリプトーム解析、及びsiRNAを用いたスクリーニングによって、+/+細胞の増殖及び幹細胞マーカーLGR5の発現量に影響を及ぼす因子を絞り込んだ。本研究では、特にmRNA型non-codingRNAの一つであるncRNA-Xに着目して研究を進めた。+/+細胞においてncRNA-Xをノックダウンすると、幹細胞マーカーLGR5の発現が低下する。このことから、ncRNA-Xが大腸癌幹細胞の幹細胞性に影響を与える可能性が考えられた。大腸癌細胞株HCT-116においてncRNA-Xノックダウンすると、三次元培養した際の増殖と、免疫不全マウスに移植した際の腫瘍形成能が抑制された。これらの結果からncRNA-Xが大腸癌の腫瘍形成能に影響を与える可能性が高いと考えられる。今後はncRNA-Xをノックダウンした際のマイクロアレイ解析や、ncRNA-Xの結合タンパク質の解析によって、ncRNA-Xが関わる腫瘍形成能のメカニズムについて詳細な研究を進める。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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