2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J30003
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
中畑 義久 生理学研究所, 発達生理学研究系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 神経損傷 / シナプス / FRETセンサー / 細胞内シグナル分子 / シナプス編成 / 培養神経細胞 / ライブセルイメージング / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
神経損傷後に軸索伸長を阻害する要因の一つは、損傷周辺部へ活性化した反応性アストロサイトが集積し、グリア瘢痕を形成するために生じる。そのため、アストロサイトの活動と集積を制御することで、損傷後神経の軸索再生を促すことができると期待される。しかし、アストロサイトの形態や移動性を制御する細胞内シグナルは十分明らかになっていない。そこで、細胞内シグナル分子であるsmall GTPasesに着目し、新規に開発したFRETセンサーを用いて、それら分子の細胞内活性パターンを解析した。通常、FRETセンサーはアクセプターからドナーへのエネルギー遷移のために、二色の蛍光タンパク質を用いる。しかし、この新規FRETセンサーは一色のみで分子活性を評価できることから、カルシウム感受性蛍光タンパク質を併用し、単一細胞におけるsmall GTPaseの活性と細胞の活動性を同時に計測した。アストロサイトに対しアデノシン三リン酸(ATP)刺激を行ったところ、一過的にカルシウム応答の増大が生じ、それに続きsmall GTPasesの活性化が認められた。また、興味深いことに、small GTPaseの活性化のタイムコースやカルシウム依存性はサブタイプによって異なっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規に開発したFRETセンサーを用いることで、細胞内分子活性を解析し、サブタイプによる応答性の違いや細胞内カルシウム濃度との関係を見出すことができたことから、おおむね計画通りに進められていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、神経細胞およびアストロサイトの細胞内分子を制御することで、損傷後神経の軸索伸展に与える影響を検討する予定である。それに加え、これまでのin vitro系での結果を踏まえて生体においても細胞内分子動態の可視化を試みる。
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Research Products
(2 results)