2016 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナのCLV3ペプチドの下流で機能するSUMO化タンパク質の単離・解析
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14J40052
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
山口 泰華 熊本保健科学大学, 保健科学部, 特別研究員(RPD) (90448522)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2018-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / CLV3 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、シロイヌナズナを実験生物として、その器官形成における分裂組織の活性調節機構を明らかにするために、CLV3ペプチドホルモンのシグナル伝達系の作用様式に着目して解析を進めることを計画した。研究計画開始当初は、茎頂部の形態形成におけるCLV3遺伝子のシグナル経路にのみ焦点をあてて研究遂行に臨んだ。しかし、CLV3を含むCLE遺伝子群は、発現様式やペプチドの分子機能が非常に類似しており、様々な器官形成に幅広く分布・機能重複して重要な働きを示すため、これら遺伝子の機能を網羅的に解析しなければ分子機構の解明はできないと考えた。そこで、まずCLE遺伝子欠損リソースの樹立を目指した。シロイヌナズナでは、CLV3を含め、CLEシグナル領域をもつ32種類ものCLE遺伝子群が同定されている。 当該年度は、CRISPR法による網羅的なCLE遺伝子欠損体作成は順調に進み、CLE遺伝子欠損体リソースが完成した。リソースは学会等を通じて公表し、理研BRCとの連携のもと、数多くの研究者へ供与して共同研究を行った。一方で、根端部におけるCLE遺伝子群の網羅的発現解析を行い、RT-PCR法(Reverse Transcription Polymerase Chain Reaction)の結果から、これまでレポーター解析により根端部で発現していると報告されていた幾つかのCLE遺伝子については、実際にはその遺伝子の発現がほとんど検出されないことが明らかになった。さらに、CLE41とCLE44の二重欠損体の解析から、表現型などの新しい知見を得て、現在、これらのデータを元に投稿論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、根端部におけるCLE遺伝子群の発現様式をRT-PCR法によりまとめて新たな知見を得た。 また、作成したCLE欠損体リソースの観察から、CLV3以外のCLE遺伝子の一重欠損体は、ほとんどすべてが顕著な表現型を示さないことが明らかにした。樹立したCLE欠損体リソースが、遺伝子機能解析に十分役立つことを示すために、リソース内での掛け合わせからCLE41/CLE44二重欠損体を作成して表現型を解析した。CLE41とCLE44は同じペプチド配列を有する重複遺伝子であり、CLE41については、胚軸の維管束形成において重要な役割をすることが報告されている。樹立したリソースのCLE41は報告と同様の表現型を示し、今回新しくCLE44もCLE41と同様の表現型を示すこと、さらにはCLE41/CLE44二重欠損体はそれぞれの一重欠損体よりも表現型が亢進することから、このリソースが機能重複のあるCLE遺伝子群の解析に有用である事が示された。これらの結果は、このリソースが今後のCLE遺伝子解析の主軸になることを示すことを意味している。この事をふまえ、現在は、以上の結果を投稿論文に執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
CLE遺伝子欠損体リソースの作成法と、CLE遺伝子群の発現様式およびCLE遺伝子二重欠損体の解析結果を、投稿論文にまとめる予定である。また、CLV3の茎頂部での分子機能については、リソースの表現型の詳細な解析と茎頂部での網羅的発現解析を行い、分子機能の重複と機能について調査する予定である。
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Research Products
(2 results)