2014 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ諸言語の言語接触に関する記述調査研究-タンザニア・マア語の2変種を中心に
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14J40066
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安部 麻矢 京都大学, アジア・アフリカ地域研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 言語接触 / タンザニア / マア語 / 社会言語学 / 言語記述 |
Outline of Annual Research Achievements |
所属先の京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科のアフリカ専攻図書室及び文学研究科図書閲覧室にて、言語接触やバントゥ諸語に関する資料を検索し、収集した。インターネットを通じて、電子ジャーナルで入手できる関連資料も収集した。また、現在紙媒体で保管している文献・論文について、ドキュメント・スキャナーを用い、PDF化し、ENDNOTEで整理した。過去の調査ノートもPDF化した。これらの作業は、1年を通じ、定期的に行った。 7月28日~8月29日にかけては、タンザニア連合共和国タンガ州ルショト郡において、現地調査を遂行した。現地では、マア語の2変種の母語話者に協力を要請し、文法記述調査を行った。記述調査では、関係節と、語彙についての聞き取りを行った。また、2者間もしくは3者間の会話の録音も行った。タンザニアからの帰国後は、現地調査で収集したデータの整理を行った。 10月末には、来年8月に京都大学で開催される予定の第8回アフリカ言語学会議 (8th World Congress of African Linguistics) における、関係節に関する口頭発表の申し込みをし、12月末に受理された。 1月以降は、引き続き、現地調査で収集したデータを整理した。特に動詞の使役形についての分析を進めている。 2月と3月には、アフリカ諸言語や言語接触に関する文献収集のため、他大学の図書館において、資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マア語の記述調査については、母語話者の協力のもと、当初の予定通りに順調にデータを収集できた。また、複数の人間の間のマア語会話の録音も行えた。一方で、なるべく多くの地域での異なる世代の話者への語彙調査を行う予定であったが、思ったように時間が取れず、調査がそれほど進んだとは言えない。これについては、来年度に集中的に行う予定である。 帰国後に、現地調査で得た資料の整理・分析を行い、その結果、国際学会への発表の申し込みを行い、受理された。一方、予定していた、関係のある雑誌への投稿が行えなかったので、来年度は精力的に投稿したい。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の通りに研究を進めていきたい。 現地調査に関して、昨年度、思うように時間が取れなかった、異なる世代への語彙の聞き取り調査について、優先的に時間を取り、進めていく。 また、当初計画していた、シャンバー語やパレ語のデータについては、現地での調査は時間が取れない可能性があるので、国内で話者を見つけ、協力を要請し、語彙や文法の聞き取りをする。 今後は成果の公開を積極的に進めたい。
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Research Products
(2 results)