2014 Fiscal Year Annual Research Report
近代ユーラシア陸上貿易におけるタタール商人の活動とその文化的影響
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14J40132
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
濱本 真実 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 中央アジア / タタール商人 / ニジニ・ノヴゴロド / グローバル・ヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年4月1日よりアメリカ合衆国ワシントンDCのジョージ・ワシントン大学で、特別研究員としての研究を開始した。大学における種々のシンポジウムや研究会も刺激的だった。私が所属した欧露ユーラシア研究所では、中央アジア研究の大型プロジェクトが進行中であり、現代の中央アジアに関する質の高い報告を聞くことができた。しかし、夏までのアメリカ滞在予定を、家庭の事情で5月半ばで切り上げざるを得なくなってしまったために、予定よりもアメリカでの研究が進まなかったのが残念である。 帰国後は、まずは東洋文庫所蔵の関連文献を調査し、また、私が日本を離れていた3年間の、日本での研究動向を追って、必要文献を購入したり複写したりした。特に、グローバル・ヒストリー関連の研究と、26年度の調査予定地であるロシアのニジニ・ノヴゴロド国際市場に関する文献の収集に努力した。後者に関しては、日本国内で得られる情報が限られており、本格的な資料収集は、現地での調査を待たねばならなかった。 3月14日から22日まで、ロシアに調査に赴き、ニジニ・ノヴゴロドの中央文書館で行政文書の調査をおこなった。昨年1月以降、この文書館の所蔵文書の案内書がインターネット上に公開されており、事前にこの文書館の所蔵文書の概要がわかっていたため、効率的に調査を進められた。しかし、一番期待していた、タタール商人関連の資料が、実際の行政文書を見てみると、わずかしか残っておらず、その点では期待を裏切られる結果となった。いっぽう、ニジニ・ノヴゴロド国際市場についての行政文書と、関連する二次文献の収集はおおいにはかどった。二次文献の収集に際しては、ニジェゴロド国立学術図書館で、有能な司書の協力を得て、短時間で多くの文献を調査・複写できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アメリカからの帰国後に、保育園探しに手間取り、2か月近くの間、研究を進められない状況にあったことと、ニジニ・ノヴゴロドの文書館での調査で、期待していた文書資料が得られなかったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
ニジニ・ノヴゴロドの文書館での文書調査では、タタール商人に関して期待した成果が得られなかったが、この調査の過程で、ウファの文書館に重要文書が存在することが判明したので、当初の計画には含まれていなかった、ウファの文書館も、今後の調査の対象にする予定である。
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