2015 Fiscal Year Annual Research Report
近代ユーラシア陸上貿易におけるタタール商人の活動とその文化的影響
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14J40132
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
濱本 真実 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ロシア国立古文書館 / タタール商人 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、ニジニ・ノヴゴロドの文書館での調査に目途がついたため、本年度は秋にサンクト・ペテルブルクの歴史文書館に調査に赴き、冬にはモスクワの国立古文書館と軍事歴史文書館に調査に行った。秋の調査においては、タタール商人の活動の背景となる、ロシアと新疆との貿易に関する統計資料にあたるとともに、19世紀初頭のロシア人将校による中央アジア探査の記録から、タタール商人の活動についての情報を集めた。冬のモスクワでの調査では、軍事歴史文書館で、カザフ草原におけるロシア軍の活動の記録のなかから、若干のタタール商人に関する情報を集めることができた。またロシア国立古文書館では、ロシアがカザフ草原に次々に建てていった城塞に併設された税関の18世紀後半の記録から、タタール商人ばかりでなく、税関を通った全ての商人の名前や出身地、商人が持っていた商品やその値段を詳細に調べることができた。最後の史料は、非常に重要な史料であり、かつ大部な史料だったが、2週間の短期滞在では複写の依頼が不可能で、最も重要な部分を筆写するのみにとどまった。このような税関の史料は、これまでロシアの研究者によって、その情報の一部が利用されているが、個々の商人についての研究はそれほど進んでいないために、利用価値が非常に高いと考えられる。来年度は、モスクワ在住の知人の協力を得るなどの手段を用いて、大部の複写を依頼したいと考えている。 2度のロシアでの調査のほか、今年度は4度の研究報告を行った。このうち3つは英語の研究報告であり、報告の場で、日本の内外のさまざまな研究者たちと新たに知り合えたこと、また、旧知の海外の研究者たちと最近のお互いの研究について情報交換できたことが大きな成果だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度のモスクワでの調査で、非常に重要な史料を見つけることができたため。 また、今年度は3回の英語の報告と1回の日本語での報告を行い、対外的に自分の研究をアピールすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、最終年度はこれまでの研究のとりまとめの年としていたが、今年度、モスクワの国立古文書館での調査を十分に行うことができなかったため、来年度は、モスクワでの再度の調査と史料の複写に重点を置く。そして、来年度収集した史料の分析をも踏まえて、この3年間の研究の成果のとりまとめを行いたい。これらの成果は、平成29年3月末締め切りの論文として発表したいと考えている。
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Research Products
(5 results)