2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヤリイカ個体群における繁殖特性の環境応答メカニズムの解明
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14J40174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩田 容子 東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 海洋動物生態学 / 繁殖生態 / イカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、各個体が成長の過程においてどのように繁殖戦術を決定しているかを明らかにすること、海洋環境が異なる年代間・地域間で繁殖特性を比較することにより、海洋環境変動に対する個体群の繁殖特性の応答を予測することを目的とした。 2014年~2015年に青森県で漁獲されたヤリイカを用い、体長・体重・生殖腺重量・雄の成熟タイプなどの形態計測を行った。計測データと採集日の水揚げ量データから、個体群における雄のタイプが切り替わる体サイズ、二型の割合および成熟サイズ組成を算出し、2005~2008年に計測した繁殖特性データと比較した。その結果、2000年代は雄の外套長210mm前後を境とし、大型成熟タイプと小型成熟タイプが切り替わっていたのに対し、2014年は200mm以下で両タイプが切り替わっていた。また2014年は、繁殖期間中に産卵場で漁獲されているにも関わらず、未成熟の個体(多くは雄)が観察された。このような未成熟個体は2000年代には全く観察されていなかった。以上より、2000年代と2014年では、成熟特性において差異がみられることが明らかとなった。 本課題は初年度での途中辞退となったため計画の一部しか実行出来なかったが、上記のように年代間で繁殖特性に違いが見られることが明らかになった。今後も同様のデータ収集を続け、このような違いが単年だけの傾向なのか、海洋環境変動に伴う中長期的傾向なのかを調べる必要がある。また得られたデータや海洋環境データを更に細かく解析するとともに、採集した平衡石サンプルを用い個体の成長履歴と過去の経験環境を分析することにより、このような年代間における成熟特性の差異が生じた要因を調べる予定である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)