2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15001001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 憲一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70025493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 直人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20321763)
舟橋 春彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00283581)
與曽井 優 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80183995)
仲澤 和馬 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60198059)
山本 和弘 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80303808)
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Keywords | 実験核物理 / 宇宙物理 / パターン認識 / ストレンジネス / ハイパー核 / エマルション / 高速自動解析 |
Research Abstract |
本研究の目的はダブルハイパー核を数多く発見し、その性質を研究することである。そのためこれまでにKEKで実施したE373実験の解析をほぼ終了し、ダブルハイパー核は候補も含め7例の検出に成功した。また、ダブルストレンジネス状態がΣ粒子を含む弱崩壊した可能性のある事象を2例発見し、これが確定すれば世界で初めての発見となる。 解析速度の向上を目指した開発では、従来の4倍以上の高速化を達成するに至り、ブルックヘブンでの実験の解析には十分な解析速度を得た。今後、再現性をより厳しく追及したい。さらにこの過程で得た経験に基づき、大型の原子核乾板を自動解析する解析装置の改良したものを設計製作し、着々と次の実験のエマルションデータ解析の準備も進めている。 一方で、実験に用いる原子核乳剤(エマルション)の一部を購入し、これまでにない大型の乾板を製作する準備を開始した。前回に実験に使ったエマルションに比べて、粒子サイズが小さくなり、より高精度でのダブルハイパー核の検出が期待できる。 ダブルハイパー核探索実験のハイブリッドエマルション装置のかなめの検出器として、両面読み出しのシリコン検出器の開発を行ってきた。今年度は設計を終えて、実機の製作を行った。シリコンは両面50ミクロンピッチのもので、15ミクロンの位置分解能が期待できる。VAチップをつかった読み出し回路もすべて設計を終えた。現在テスト実験のためのデータ取得システムを準備しており、4月からテストを行う予定である。 ダブルハイパー核と関連したテーマとしてHダイバリオンがあるが、共鳴状態と思われるピークを2個のラムダ粒子の不変質量分布の中に見出した。 これらについて、国際会議などで報告し、現在論文を準備中である。
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Research Products
(8 results)