Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 美廣 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40174552)
羽多野 忠 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90302223)
江島 丈雄 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (80261478)
津留 俊英 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30306526)
豊田 光紀 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40375168)
|
Research Abstract |
本研究は,分解能50nmの回折限界軟X線反射型顕微鏡の開発を目的とする.まず,軟X線ミラー用の高精度多層膜を曲面基板上に高再現性で製作する(1)特殊成膜装置と,曲面ミラー評価用の(2)高精度軟X線分光反射率計測装置を開発する.軟X線光源には,汎用な丸棒ターゲットのレーザー生成プラズマ(LPP)を用いる.これらの製作・評価技術を基礎として軟X線多層膜工学技術を発展させて,軟X線結像光学へ展開するために,反射波面誤差を計測する(3)軟X線干渉計,計測した残留誤差を補正する(4)多層膜表面ミリング波面補正装置,を開発する. 本年は,(1)では多層膜厚分布制御技術と精密スパッタレート制御技術を統合し,昨年後半に見出されたビームプロファイル安定性課題を解決した.また,成膜の安定化目標値を越える±0.4%を達成し,国内外で成果発表した.昨年度に設計製作して備品購入した(2)には,本年度に開発して備品購入したPLD速度フィルター制御ユニットをLPP軟X線光源からの飛散微粒子除去用に組み込み,機械部の調整を開始した.(3)は,超研磨曲面基板に特殊多層膜の本成膜を開始できる準備がほぼ整った.(4)は,収束イオン銃部を先行開発して備品購入し,ミリング予備実験を行った.この結果,多層膜試料は,イオンビーム強度の2次元分布を精密に示し,ビームの強度と一様性が大幅に不足することが明らかになった.そこで,来年度に導入する(4)本体の動作方式を抜本的に見直した. このほか,現有の目視観測ザイゴ干渉計を大幅に改善して分解能10nmの顕微鏡光学系の光軸調整の準備を整えた.顕微鏡本体の光学設計の一環として,曲面鏡2枚の系で3次以下の収差低減最適解を探索する手法を開発し,既存設計の50倍の実用的なアライメント誤差を許容する新型光学系や,20倍の広視野の新型光学系を見出した.この成果は,国際会議で口頭発表すると共に,学術論文に投稿中である.
|