2006 Fiscal Year Annual Research Report
遠赤外線干渉計を用いた高解像撮像による星形成現象の詳細研究
Project/Area Number |
15002006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
芝井 広 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 光伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50280558)
佐藤 紳司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60192598)
土井 靖生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70292844)
金田 英宏 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助手 (30301724)
松浦 周二 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助手 (10321572)
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Keywords | 赤外線 / 星間塵 / 遠赤外線 / 気球望遠鏡 / 宇宙干渉計 / 星生成 / 赤外線銀河 / 遠赤外線センサー |
Research Abstract |
本研究の主目的は、星生成領域、原始惑星系円盤、銀河核スターバーストなど、星間塵熱放射がきわめて重要な役割を果たしている天体について、秒角スケールの角分解能の撮像を行い、各天体において星間塵温度分布を初めて明らかにすることである。遠赤外帯において初めて基線長20mの干渉計を開発し観測に用いる。本年度はFITEの開発を進めるために主に以下の具体的項目について実行し成果を得た。 1.新しい干渉計の原理の確認 当初の計画においては、いわゆる「マイケルソン星干渉計」を採用することとしていた。しかしながら、一次元アレイ検出器で干渉縞を観測することにより、対象天体の輝度分布を導出できるという新しいアイデアを発案し、定式化することができた。この新しい方式を用いた実験室実験を行い、その原理を実証できた。 2.姿勢制御系の概念設計と試験モデルの製作 気球望遠鏡ではこれまで実現されたことがあまりない、「重心位置懸架による姿勢制御」に成功した。しかしながら、人工衛星の姿勢制御のような「完全な3軸姿勢制御」では、リアクションホイール(トルカー)のアンローディング制御が複雑になりすぎると判断し、あらかじめ観測天体に応じて仰角をセットした上で、観測時間中のみ3軸姿勢制御を行う方式に変更した。 3.姿勢センサーの選定、試験 市販されている姿勢センサーでは必要な性能が得られず、メーカーとの技術的検討を重ねた上、実際の試験の結果、カタログ仕様値を大きく上回る0.1秒角rms程度の精度が、100ミリ秒の反応速度で得られることを確認した。 4.目標天体捕捉方式、干渉計微調整方式の詳細設計による確実な成果導出 目標天体の捕捉、干渉計の角度調整およびゼロ光路差位置の検出などの方式を検討した結果、可視光CCDカメラ2台(角度粗調整用、角度微調整用)、中間赤外アレイセンサー(ゼロ光差位置の検出用)を使用することとした。
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Research Products
(5 results)