2007 Fiscal Year Annual Research Report
遠赤外線干渉計を用いた高解像撮像による星形成現象の詳細研究
Project/Area Number |
15002006
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
芝井 広 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 光伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50280558)
佐藤 紳司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60192598)
土井 靖生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (70292844)
金田 英宏 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教 (30301724)
松浦 周二 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教 (10321572)
|
Keywords | 赤外線 / 星間塵 / 遠赤外線 / 気球望遠境 / 宇宙干渉計 / 星生成 / 赤外線銀河 / 遠赤外線センサー |
Research Abstract |
本研究の主目的は、星生成領域、原始惑星系円盤、銀河核スターバーストなど、星間塵熱放射がきわめて重要な役割を果たしている天体について、秒角スケールの角分解能の撮像を行い、各天体において星間塵温度分布を初めて明らかにすることである。遠赤外帯において初めて基線長20mの干渉計を開発し観測に用いる。本年度はFITEの最終的な組み立て・調整を行った。 1.超軽量ゴンドラの製作 従来のアルミ角パイプ溶接構造では重量が大きすぎて気球フライトに支障をきたすことが判明したため、CFRP各パイプを用いて超軽量のゴンドラを製作した。その結果、単体で150kg以上、システムとして300kg以上の軽量化が実現できた。 2.干渉光学系の組み立て、試験 マイケルソン星干渉計として必要とされる精度に光学系をアラインメントすることが出来た。 3.初フライトに向けた計装 初フライトでは、重量の軽減、技術実証のために、基線長を8mとすることとした。これにより得られる空間分解能は2.5秒角であるが、依然として従来よりも10倍以上の高解像度である。 4.観測計画の策定 初フライトの主目的は技術実証であるため、可視光、中間赤外線、遠赤外線のいずれも明るい点源をまず観測対象とする。この条件に適した天体として、海王星とIRC+10216を選んだ。 5.初フライトの延期 総合試験の段階でクライオスタットにリークが発生し、この修理のために初フライトを翌年度に延期した。研究年限内に最終目的までは到達しなかったが、全く新しい望遠鏡システムの開発に成功した。
|