2006 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインによる免疫応答制御機構と自己免疫疾患の発症機構
Project/Area Number |
15002008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平野 俊夫 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (40136718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 克彦 大阪大学, 生命機能研究科, 助教授 (10263245)
村上 正晃 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00250514)
山下 晋 大阪大学, 生命機能研究科, 助手 (90346148)
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Keywords | サイトカイン / IL-6 / GP130 / STAT3 / 免疫 / 細胞運動 / 樹状細胞 / T細胞 |
Research Abstract |
1.gp130F759マウスの関節炎とT細胞のホメオスタテック分裂(HP)の関係:F759マウスではF759信号が非血球系細胞に過剰のSTAT3信号を伝えるためにIL-7の発現が上昇してCD4T細胞のホメオスタテック分裂が亢進して関節炎を引き起こすメカニズムを証明した(Sawa et al.J.Exp.Med.2006)。 2.memory/activated表現型のT細胞を過剰に持つB10#4(MM)マウスからの責任遺伝子の単離:Rag2変異体分子の活性が野生型の分子の10-20%と非常に減弱している、MMマウスでは胸腺細胞の分化の部分的な抑制からF759マウスと同様にCD4T細胞のホメオスタテック分裂が亢進して過剰のサイトカインが発現していることが判明した。さらに、CD4T細胞依存性に抗体産生が過剰に亢進して血清中の抗体量が野生型に比較して有為に増加していることが判明した(Kiong et al.J.Cli.Inv.in press)。 3.MHCII分子小胞の細胞内保持機構の解明:樹状細胞内にてMHCII小胞保持、輸送に重要なGEFH1-RhoBカスケードを同定した。このカスケードはLPS信号のTRIF依存的に活性化され、細胞骨格、アクチン・チューブリンの状態を変化させてMHCII小胞を核近傍から細胞表面まで移動させていることが明らかになった。(Kamon et al.EMBO J.2006)。 4.TLR信号における亜鉛シグナルの役割の解析:亜鉛欠乏は免疫不全を引き起こすことが知られている。しかし、なぜ亜鉛の欠乏が生体内で免疫系の機能を抑制するのか?の詳細は明らかではなかった。今回我々はTLR信号伝達依存性の亜鉛トランスポーター(LIV1/ZIP6)を介する細胞内亜鉛の低下が樹状細胞の成熟化に必須であることを示した。樹状細胞をLPS刺激すると細胞内の亜鉛濃度がTRIF依存的に減少した。そのとき、細胞内亜鉛の恒常性に最も重要な亜鉛トランスポーターの発現が亜鉛濃度が減少する様に変化した。その中で我々はLIV1/ZIP6に注目してLPS依存性のMHCIIおよびCD86の発現を解析した。LIV1/ZIP6分子を樹状細胞に過剰発現させるとLPS依存性のMHCIIおよびCD86の発現が有為に抑制された。さらに、LIV1/ZIP6分子を過剰発現させた樹状細胞ではCD4T細胞の活性化能が減少していることが証明された。また、LPSをマウスに投与すると樹状細胞の活性化に伴って細胞内亜鉛濃度が減少した。それと同時にLIV1/ZIP6遺伝子の発現が減少した(Kitamura et al.Nature Immunol.2006)
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Research Products
(9 results)