2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15002009
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
兼田 もと宏 九州工業大学, 工学部, 教授 (90039123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 宏志 九州工業大学, 工学部, 助手 (40208161)
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Keywords | 熱弾性流体潤滑 / 熱物性 / トラクション / 油膜厚さ / せん断発熱 / 圧縮発熱 / 機械要素 / トライボロジー |
Research Abstract |
1.接触物体の3次元的熱伝導並びにEyring sinh則に従う流動モデルを考慮した数値解析プログラムを作成し、油膜厚さ、トラクション特性に及ぼす圧縮及び粘性発熱の影響を評価した。 (1)流体モデルによって温度上昇分布は大きく相違するが、接触物体が同一材料の場合には、油膜厚さ及び油膜圧力分布は流体モデルにはほとんど依存しない。(2)滑り率が極めて低く転がり速度の速い領域、あるいは、全体温度が低く最大圧力の低い領域では、トラクション係数は圧縮発熱起因温度上昇によって支配される。(3)温度上昇を考慮に入れた最小油膜厚さ無次元評価式、及び、トラクション係数に及ぼす圧縮及び粘性発熱の影響の程度を評価できる図表の第一次案を作成した。(4)両接触物体の熱伝導率が低い場合の油膜厚さは、高い場合の油膜厚さに比較して薄く、その程度は転がり速度が速くなるにつれて顕著になる。(5)転がり接触疲労解析において通常用いられるヘルツの圧力分布は、接触面の熱伝導係数が相違する場合や潤滑油の粘度の圧力係数が高い場合には避けねばならない場合がある。 2.弾性流体潤滑領域で転がり滑り運動する機械要素が衝撃荷重を受けた場合の油膜の応答を世界で初めて詳細に観察することに成功した。荷重増加時にはスクイズ効果によって閉じ込め膜が形成され、荷重減少時には気泡発生に起因して見かけ上の閉じ込め膜が形成され、これらの膜は両接触面のほぼ平均速度で接触域内を移動する。 3.線接触転がり滑り往復運動に対する非ニュートン熱弾性流体潤滑解析プログラム、並びに、点接触転がり滑り往復運動に対する非ニュートン弾性流体潤滑解析プログラムを作成し、数値解析によって基本現象を把握した。
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