2003 Fiscal Year Annual Research Report
接着装置に依存した新しい細胞行動制御シグナルの探索
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15002014
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
竹市 雅俊 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, グループディレクター (00025454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 みどり 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, 専門職研究員 (70314185)
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Keywords | カドヘリン / 細胞接着 / 細胞骨格 / カルシウムポンプ / 微小管 / アクチン / カテニン / シナプス |
Research Abstract |
1.カドヘリン結合分子P120カテニンと微小管との相互作用について研究した。すでに、p120カテニンが微小管に結合する性質を有することを明らかにしてきたが、その役割について、RNAi法によるp120カテニンの発現抑制、p120カテニン変異分子の発現、などの手法により詳細な検討を行い、その結果、本分子が、細胞接着部位における微小管の配向、細胞の形態等を制御していることが明らかになった。 2.カドヘリン結合因子αN-カテニンのシナプス形成における役割を海馬神経細胞を用いて研究した。その結果、αN-カテニン欠失神経細胞では、スパインの形態が不安定、且つ、非常に動的であることが分かった。逆に、αN-カテニン過剰発現細胞では、スパイン/シナプスの数が増大すること、さらに、そのターンオーバーが減少すること、などを明らかにした。さらに、シナプス活性時には、αN-カテニンのシナプス集積が増大し、逆に、シナプス活動抑制時には減少することを見いだした。以上の結果から、αN-カテニンがスパイン/シナプスの安定性の制御因子であることが示唆された。 3.新規RhoGEFを同定し、この分子が、細胞接着面に分布するアクチン繊維の安定性を制御していることを示唆した。 4.細胞膜型カルシウムポンプ(PMCP)とカドヘリンの関係を研究し、PMCP過剰発現細胞では細胞接着形態が変化することなどを明らかにした。 カドヘリン分子の細胞接着面における動態をタイムラプス撮影により解析し、カドヘリン分子に予想外の方向性をもった運動性があることを発見した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kubo, F., Takeichi, M., Nakagawa, S: "Wnt2b controls retinal cell differentiation at the ciliary marginal zone."Development. 130. 587-598 (2003)
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[Publications] Nakagawa, S., Takada, S., Takada, R., Takeichi, M.: "Identification of the laminar-inducing factor : Wnt-signal from the anterior rim induces correct laminar formation of the neural retina in vitro."Develop.Biol.. 260. 414-425 (2003)
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[Publications] Tanabe, K., Takeichi, M., Nakagawa, S.: "Identification of a nonchordate-type classic cadherin in vertebrates : Chicken Hz cadherin is expressed in horizontal cells of the neural retina and contains a nonchordate-secific domain complex."Dev.Dynamics. (in press). (2004)
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[Publications] Abe, K., Chisaka, O., van Roy, F., Takeichi, M.: "Stability of dendritic spines and synaptic contacts is controlled by αN-catenin."Nature Neuroscience. (in press). (2004)