2005 Fiscal Year Annual Research Report
接着装置に依存した新しい細胞行動制御シグナルの探索
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15002014
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
竹市 雅俊 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, グループディレクター (00025454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 みどり 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, 専門職研究員 (70314185)
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Keywords | カドヘリン / カテニン / 細胞接着 / 微小管 / アクチン / Rho / シナプス / 細胞運動 |
Research Abstract |
以下の研究成果を得た: 1)Cdc42に特異的なRhoGEF,Tubaの研究を続け、この分子が、N-WASPを介してアクチン及び細胞接着の制御を行っていることを明らかにした。Tubaの発現をRNAiによって阻害すると、カドヘリンおよびアクチンの分布に異常が生じるが、N-WASPのRNAiによっても同じ効果がみられ、さらに、N-WASPの過剰発現によって、Tuba RNAiによる効果が救済された。このように、Tuba-Cdc42-N-WASPというシグナル系の役割の一端を明らかにすることができた。 2)p120-カテニンが、微小管の安定性、細胞運動の制御に関与することを明らかにした。p120-カテニンの発現をRNAiにより阻害すると、細胞層に傷をつけた時の修復過程が抑えられ、この時、微小管の安定性が落ちていることが分かった。逆に、p120-カテニンのN末端の過剰発現は、特定の微小管を安定化した。これらの結果から、このカテニンの新しい機能を明らかにすることができた。 3)細胞境界に存在するカドヘリン分子をEGFP標識し、タイムラプス観察した結果、アクチンの流れに乗って、基底側から頂端側に移動していることが分かった。これは、細胞間接着の新しい動的局面を明らかにした重要な発見である。 4)シナプスにおけるカドヘリン-カテニン複合体の役割を研究する中で、神経刺激によって、β-cateninの1部が切り取られて安定化し、核内に侵入して転写制御に関わることを明らかにした。また、その標的分子の1つを同定した。 5)大腸がん細胞におけるカドヘリン不活性化現象を研究し、その再活性化作用をもつp120-カテニンのN末端に結合する新しい分子を同定した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Distribution of OL-protocadherin in axon fibers in the developing chick nervous system.2005
Author(s)
Nakao, S., Uemura, M., Aoki, E., Suzuki, S.T., Takeichi, M., Hirano, S.
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Journal Title
Brain Res.Mol.Brain Res. 134
Pages: 294-308
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