2003 Fiscal Year Annual Research Report
多細胞生物進化解明の基盤としての植物不等分裂に関わる遺伝子ネットワークの解明
Project/Area Number |
15011260
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
藤田 知道 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50322631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 郁夫 岡崎国立共同研究機構, 計算科学研究センター, 助手 (90243089)
村田 隆 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (00242024)
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Keywords | 不等分裂 / 細胞極性 / プロトプラスト / 再生 / RNA干渉 / GFP / 完全長cDNA / 過剰発現 |
Research Abstract |
完全長cDNA一過的過剰発現法による植物不等分裂に関わる遺伝子の網羅的単離、機能推定 1、ヒメツリガネゴケから単離したプロトプラストの細胞極性形成開始から不等分裂中の過程で,発現している遺伝子群を効率的かつ網羅的に単離するため、この過程の再生細胞を濃縮して回収する方法を検討した。プロトプラストを単離し、培養開始後2-3日目の時点で細胞を回収し、網目サイズ20μmのフィルターで再生中の細胞と死細胞を分ける操作を行った。回収した再生中の細胞はその後も再生を続けていくことを確認し、この操作が再生細胞の成長に及ぼす影響は排除できると考えられた。このようにして回収した細胞からRNAを抽出し、完全長cDNAライブラリーを作成している。 2、既存の完全長cDNAライブラリーを対象として本年度新たに約1000cDNAクローンの一過的過剰発現スクリーニングを行った。その結果等分裂や細胞が巨大化する、細胞死を起こすなど様々な再生異常を引き起こす原因遺伝子を見いだした。 3、これまでのスクリーニングからあわせて約200cDNAが再生過程に異常を引き起こすことがわかった。これらの表現型の再現性を確認し、細胞極性形成や不等分裂異常に関わると考えられる原因遺伝子を57種類に絞ることができた。これら候補遺伝子の全塩基配列を決定し、配列に基づいて機能の推定を行った。 4、57種類の候補遺伝子についてRNA干渉による表現型観察、ならびにcDNAとGFPの融合タンパク質をプロトプラストに一過的に発現させ不等分裂時の融合タンパク質の細胞内局在を調べるスクリーニングを開始した。RNA干渉、GFP融合コンストラクトを個々の候補遺伝子に対して効率よく作成するためGatewayクローニングを利用できるようにした。これらの方法により候補遺伝子をさらに絞りこむ。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nishiyama, T: "Comparative genomics of Physcomitrella patens gametophytic transcriptome and Arabidopsis thaliana : Implication for land plant evolution."Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 100. 8007-8012 (2003)
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[Publications] Fujita, T: "New Frontiers in Bryology : Physiology, Molecular Biology & Applied Genomics"Kluwer Academic Publishers(未定). (2004)