2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15012206
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
稲垣 暢也 秋田大学, 医学部, 教授 (30241954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 勝也 秋田大学, 医学部, 助手 (40241666)
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Keywords | ABC蛋白 / 遺伝子 / ミエリン / 精子 / ABCA2 / ABCA3 / ABCA14 / サーファクタント |
Research Abstract |
近年のヒトゲノムプロジェクトの進展に伴い、これまでに48種類のABC蛋白質遺伝子が同定され、一大ファミリーを形成していることが明らかになった。すでに18のABC蛋白質遺伝子と疾患との関連が明らかにされているが、機能や疾患との関連が不明な遺伝子が数多く残されており、これらのABC蛋白質の機能、生理的役割、病態における意義を明らかにすることは、その異常に基づくさまざまなヒト疾患の原因の解明や治療法の開発につながる重要な課題である。本研究では、ABC蛋白質遺伝子のなかでも特に脂質膜輸送に関連すると考えられるABC蛋白質に焦点を絞り、疾患における役割を解明することを目的とする。平成15年度は、1)胎児肺におけるABCA3の発現が、出生直前のあるいはグルココルチコイド投与により増大することを明らかにし、グルココルチコイドによる転写調節機構について明らかにした。(投稿準備中) 2)マウスABCA14を新規に単離し、ABCA14が精巣の精子あるいは精子細胞特異的に発現していることを明らかにした。(投稿準備中) 3)ABCA3ならびにABCA14のターゲティングベクターを作成した。 4)オリゴデンドロサイト特異的に発現するABCA2の遺伝子欠損(KO)マウスについて、電子顕微鏡を用いてミエリンの形態学的解析を行った。KOマウスにおいて特にミエリン形成異常は認められなかったため、現在脱髄や脱髄後の再ミエリン化における異常の有無について検討中である。 5)SP-B遺伝子異常を有さず先天性にミエリン形成が起こらない新生児患者の遺伝子についてABCA3遺伝子の異常を解析中である。 6)非典型的な副腎白質ジストロフィー患者についてABCA2遺伝子異常の有無を解析中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoneda, K., et al.: "An autocrine/paracrine loop linking keratin 14 aggregates to TNFα-mediated cytotoxicity in a keratinocyte model of epidermolysis bullosa simplex."J.Biol.Chem.. 279. 7296-7303 (2004)
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[Publications] Yuan, H., et al.: "Multiminute oscillations in mouse substantia nigra pars reticulata neurons in vitro."Neurosci.Lett.. 355. 136-140 (2004)
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[Publications] Yuan, H., et al.: "Glucose sensitivity in mouse substantia nigra pars reticulata neurons in vitro."Neurosci.Lett.. 355. 173-176 (2004)
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[Publications] Tanaka, Y., et al.: "Temporal and spatial profiles of ABCA2-expressing oligodendrocytes in the developing rat brain."J.Comp.Neurol.. 455. 353-367 (2003)
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[Publications] Zheng, Y.-J., et al.: "Cl^- channel blockers inhibit transition of quiescent (G_0) fibroblasts into the cell cycle."J. Cell Physiol.. 194. 376-383 (2003)
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[Publications] 稲垣暢也: "生化学 組織特異的に発現する脂質輸送関連ABCトランスポーター"社団法人日本生化学会(印刷中).