2003 Fiscal Year Annual Research Report
新たな遺伝子クローニングシステムNACSを応用した疾患遺伝子の同定
Project/Area Number |
15012208
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
荒瀬 尚 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10261900)
|
Keywords | cDNAライブラリー / レトロウィルス / リンパ球 / ITAM / リン酸化 / シグナル伝達 / エストロジェンレセプター / CD8 |
Research Abstract |
私どもは、新たな機能的遺伝子クローニングシステムとしてNACS法(NFAT Activating Molecule Cloning System)を開発した.本研究では、NACS法の応用法を開発することによって、新たな細胞活性化機構、細胞分化機構の解明を目指し、それを基にヒト疾患遺伝子を明らかにすることを目的とし、今年度より本研究班で研究を始めた。NACS法では、ランダムプライマーで作成したcDNAライブラリーとCD8分子の細胞外領域とのキメラが作られるライブラリーを作製することになるため、cDNAライブラリーの質が、決定的に重要である。そこで、本年度ではまず、cDNAライブラリーの質を高めるために、cDNAの合成条件を検討した。今までのライブラリーでは、cDNAの合成長が長過ぎるために、翻訳開始点より上流からCD8とのキメラになっているクローンが多く、そのために、目的の遺伝子がクローニングできない欠点が認められた。そこで、cDNA合成の際に、ランダムプライマーの濃度を通常の50倍程度にすることにより、比較的小さいサイズのCD8キメラライブラリーを作成することに成功した。実際、新たに作成したライブラリーでスクリーニングすることにより、今までにクローニングできなかったCD3ζ等の既知のITAMを有する分子のほか、新たな4回膜貫通型の活性化制御分子をクローニングすることに成功した。そこで、本研究では、今回確立した、ライブラリー作成方法を基に、さらに、他の組織のライブラリーの作成を進めるほか、エストロジェンレセプターとのキメラライブラリーを作成することにより、転写因子等の新たな、リンパ球活性化制御分子のクローニング方法の確率を目指す。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Lodoen, M.: "NKG2D-mediated natural killer cell protection against cytomegalovirus is impaired by viral gp40 modulation of retinoic acid early inducible 1 gene molecules."J.Exp.Med.. 197・10. 1245-1253 (2003)
-
[Publications] Arase, N.: "IgE-mediated activation of NK cells through Fcγ RIII."J.Immunol.. 170・6. 3054-3058 (2003)
-
[Publications] Sakurai, D.: "FcεRIγ-immunoreceptor tyrosine-based activation motif is differentially required for mast cell function in vivo."J.Immunol.. 172・4. 2374-2381 (2004)
-
[Publications] Shiratori, I.: "Activation of Natural Killer Cells and Dendritic Cells upon Recognition of a Novel CD99-like Ligand by Paired Immunoglobulin-like Type 2 Receptor."J.Exp.Med.. 199・4. 525-533 (2004)
-
[Publications] Arase, H.: "Specific recognition of virus-infected cells by paired NK receptors."Rev.Med.Virol.. (in press).