2003 Fiscal Year Annual Research Report
新しい機能性遺伝子同定技術の創出と成人病性血管障害関連遺伝子探索への応用
Project/Area Number |
15012221
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
米倉 秀人 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (80240373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 靖彦 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (20313637)
渡辺 琢夫 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (40303268)
山本 博 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (00115198)
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Keywords | functional genomics / antisense display / antisense oligonucleotide / angiogenesis / vascular endothelial cells / soluble VEGF receptor / pIClin / alternative splicing |
Research Abstract |
本研究の目的は、任意の表現形質を担う遺伝子を機能面から系統的かつ簡便に同定する技術として代表者らが独自に考案したAntisense Display法を新しい機能性遺伝子スクリーニング技術として確立し、成人病性血管障害関連遺伝子、特に血管新生抑制性遺伝子の分離に適用することである。平成15年度の研究で、以下の成果を得た。 1)平成13、14年度に行なった血管新生関連遺伝子のスクリーニングで同定された血管内皮細胞の増殖促進を示す14merアンチセンス(AS)配列を用いて、cDNA/ESTデータベースを検索し、パーフェクトマッチ配列を有する候補配列を5種同定した。 2)ヒト血管内皮細胞での候補配列の発現をRT-PCR法とノーザン法で検討した結果、5種のうち1種、pICln遺伝子の発現が確認された。 3)pICln mRNAの別領域に対するASの添加で、血管内皮細胞の増殖促進が再現され、さらに血管内皮細胞の管腔形成が促進された。 4)AS処理細胞での各種血管新生関連遺伝子の発現を調べたところ、選択的スプライシングによって生じる2種の血管新生抑制性可溶型VEGF受容体(soluble Flt-1,soluble neuropilin-1)mRNAの発現が特異的に抑制されていることが示された。 5)血管内皮細胞にcDNAを導入しpIClnを過剰発現させると、血管内皮細胞の増殖が有意に阻害された。さらに、pIClnを過剰発現細胞ではsoluble Flt-1,soluble neuropilin-1 mRNAの発現が特異的に増加していた。 以上、今回同定されたpICln遺伝子は、選択的スプライシングを制御するというこれまで知られていなかった新しいタイプの血管新生抑制遺伝子である可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Unoki H. et al.: "Up-regulation of cyr61 in vascular smooth muscle cells of spontaneously hypertensive rats."Laboratory Investigation. 83(7). 973-982 (2003)
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[Publications] Sakurai, S. et al.: "The AGE-RAGE system and diabetic nephropathy."Journal of American Society of Nephrology. 14(suppl.3). S259-S263 (2003)
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[Publications] Li, H.et al.: "Possible participation of pICln in the regulation of angiogenesis through alternative splicing of VEGF receptor mRNAs"Endothelium. (In press). (2004)
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[Publications] Watanabe, T. et al.: "Preparation and characterization of recombinant protein phosphatase."Methods in Enzymology. 366. 321-338 (2004)
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[Publications] 李 慧 他: "生体諸システムの制御臓器としての血管内皮細胞;5.血管新生系制御"血管医学(Vascular Biology & Medicine)(メディカルレビュー社). 4巻(2号). 41-46 (2003)
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[Publications] 渡辺琢夫 他: "糖尿病の分子機構-AGE-RAGE系を中心として-(Molecular mechanism of diabetic complications)"生化学. 75巻(10号). 1361-1370 (2003)
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[Publications] 米倉秀人: "医学大辞典(伊藤正男、井村裕夫、高久史麿 編),分担執筆(,p.118,p.1786,p.1799,p.2285)"医学書院. 3062 (2003)