2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害におけるゲノム創薬ターゲットの作用機構解析
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15012226
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 宏 三重大学, 医学部, 助手 (20314114)
西村 有平 三重大学, 医学部, 講師 (30303720)
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Keywords | 脳血管障害 / 脳血管攣縮 / ゲノム創薬 / マイクロアレイ / ヘムオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
我々は、脳血管攣縮モデルの遺伝子発現解析、特異的遺伝子発現抑制および発現誘導解析により、脳血管攣縮病態においてHeme Oxygenase-1(HO-1)が脳血管攣縮の抗攣縮分子であることを見出している。くも膜下出血後の脳血管においては、内皮細胞障害等の原因によりNO/cGMPによる血管拡張作用が障害され、正常血管でみられるcGMPによる脳血管toneの制御が維持されておらす、cGMPレベルと攣縮に相関が見られない。一方、NO/cGMP pathwayの他にHO-1/CO/cGMP pathwayにより、cGMPレベルが制御されるため、HO-1の発現誘導による脳血管攣縮に対する効果を検討した。攣縮病態下にHO-1を誘導することにより、脳血管攣縮は改善し、攣縮病態で低下したcGMPレベルが上昇することを見出しているが、さらに、このcGMPレベルは、HO-1の特異的な抑制により低下し、攣縮時の通常のレベルよりさらに低下した。このことは、単に脳血管攣縮病態の改善にHO-1が作用しているばかりではなく、cGMPに対する血管反応性がHO-1の発現誘導により改善していることが示唆する。Heme Oxygenase-1の細胞保護作用、原因物質と考えられるOxyHbのクリアランスの上昇もこのcGMPに対する血管反応性に関与していると考えられる。さらに、我々は、独自のデータベース解析から、攣縮病態下においてHO-1を誘導する医薬品を新たに見出した。この医薬品は、正常血管ではHO-1を誘導しないが、攣縮病態下では著名にHO-1を誘導する。また、cGMPに対する血管反応性も改善され、攣縮改善とcGMPレベルは相関した。さらに、human HO-1を用いたプロモーター・アッセイから、この医薬品によるHO-1の誘導は転写レベルで制御されることが示唆された。HO-1は動脈硬化、肺高血圧等、種々病態において誘導され、細胞保護作用を示すため、種々の病態にこの医薬品の治療効果の検討により新たな治療法開発が期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Homare Amano: "Target validation in hypoxia-induced vascular remodeling using transcriptome/metabolome analysis"Pharmacogenomics J. 3(3). 183-188 (2003)
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[Publications] Hirofumi Nikaido: "A potential role for Heat Shock Protein 72 in antagonizing cerebral vasospasm after rat subarachnoid hemorrhage."Circulation. In press. (2004)