2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15012237
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塚口 裕康 徳島大学, 医学部, 助手 (60335792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 幹夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90169144)
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Keywords | 腎臓 / 連鎖解析 / 疾患遺伝子 / 腎不全 / IgA腎症 / 多因子疾患 |
Research Abstract |
目的 IgA腎症は、慢性腎不全・透析導入の2大原因疾患の一つで、遺伝素因が発症に関与する多因子疾患である。その病因は不明であり、解明が待たれているが本研究では遺伝学的アプローチにより疾患感受性遺伝子の同定を目指す。 方法 本研究は、比較的大きいメンデル遺伝IgA腎症家系に対し、パラメトリック連鎖解析とハプロタイプ解析を行い、疾患遺伝子のマッピングを試みる。ゲノム解析の手法は申請者らが家族性巣状糸球体硬化症で用いた方法(MLINK programを用いた2点連鎖解析)を採用する。 結果 (1)常染色体優性遺伝のIgA腎症家系4家系について家系図の構築を行った。家系図をさらに水平・垂直方向へ拡大すべく調査を進めている。 (2)そのうち一家系IgAN-MHの患者6名、健常7名の計13名について候補遺伝子座6q22 (IGAN1)の連鎖解析を行った。候補領域20cMにマイクロサテライトマーカーを配置して、ゲノタイピングを行い、常染色体優性遺伝・不完全浸透率(75-85%)のモデル下での連鎖の有無を検討した。領域内の4マーカーの2点及び多点LOD scoreはいずれも-2.0以下で、かつハプロタイプ解析でも疾患アレルと臨床症状はcosegregateせず、IGAN1の関与を否定した(論文準備中)。 (3)次に準備を進めている家系IgAN-TT (患者8名、不明3名、健常人7名)のタイピング前の検出力評価を行った。SLINKプログラムで1000個のランダマイズされた遺伝子型を作成し、家系から得られるLOD score値を検討した。最大予測LOD score=3.2で、LOD score>1.5レベルのスコア検出力は70%以上であった(empirical P<0.05)。 考察 シミュレーションが終了し、候補領域への連鎖が否定された家系より、ゲノムワイドでの疾患遺伝子探査を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shono A: "An Adhesion Molecule Coxsackievirus and Adenovirus Receptor (CAR) is a Novel Binding Partner of Podocin."J Am Soc Nephrol. 14. 25A (2003)
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[Publications] Kitamura A: "Genetic Linkage Analysis of Candidate Loci in Japanese Families with Steroid Resistant Nephrotic Syndrome."J Am Soc Nephrol. 14. 103A (2003)
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[Publications] 塚口裕康: "遺伝性ポドサイト腎症-症候性疾患"腎と透析. 55・5. 753-764 (2003)
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[Publications] 塚口裕康: "遺伝子異常からみた腎疾患 巣状糸球体硬化症家系の遺伝子解析"内科. 92・1. 12-17 (2003)