2003 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄小脳失調症6型の発症機構の解明および予防、治療法の検討
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15016039
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田邊 勉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70183069)
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Keywords | カルシウムチャネル / 脊髄小脳失調症6型 / ノックインマウス / 神経変性疾患 / 小脳スライス / P型Caチャネル |
Research Abstract |
まず内在性マウスP型Caチャネル遺伝子の第1蛋白コーディングエクソン部にベクター配列を導入し遺伝子発現を遮断した。引き続き、この部位に疾患変異を有するヒトP型Caチャネル(ポリグルタミン28リピート)cDNAをシングルコピー導入し、内在性チャネルプロモーター制御のもとに変異導入Caチャネルを発現するSCA6(脊髄小脳失調症6型)ノックインマウスを作製した。このマウス(第一世代)における疾患チャネルの発現部位特異性は内在性チャネルと同じであったが発現量が内在性のものに比べて著しく低いことが明らかとなった。現在、このSCA6モデルマウス(SCA6変異に関してヘテロのマウス)の行動学的解析を経時的に行っているが、これまでのところ(生後1年を過ぎ)異常は見出されていない。しかしながらSCA6変異に関してホモのマウスの小脳スライスの生理学的解析から特異的異常が見出された。一方、チャネル発現量改善を目標にFLPリコンビナーゼを用いて導入チャネルコンストラクトのベクター配列を除去した第二世代のSCA6モデルマウスの作製に着手し、これに成功した。ベクター配列の除去により変異導入Caチャネル発現量の著しい改善(約10倍増)が認められたので現在このマウスを用いて種々解析を再スタートさせたところである。疾患チャネルの電気生理学的特性の解析に関してもホモマウスプルキンエ細胞のCa電流の検討をスタートさせた。SCA6のひとつの特徴として患者さんによって発症年齢にばらつきが大きいということがあり、何かほかに発症を誘引するような因子の存在を強く示唆させる。そこで種々の環境ホルモン、神経毒などの投与による影響のほうも検討している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kurihara, T., Nonaka, T., Tanabe, T.: "Acetic acid-conditioning stimulus induces long-lasting antinociception of somatic inflammatory pain."Pharmacol.Biochem.Behavior.. 74. 841-849 (2003)