2003 Fiscal Year Annual Research Report
「間(ま)」を合わせる共創型インタフェースに関する研究
Project/Area Number |
15017234
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三宅 美博 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20219752)
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Keywords | ヒューマン・コミュニケーション / タイミング制御 / 認知的時間 / 間 / 同期タッピング |
Research Abstract |
間(ま)を合わせることは人間同士の協調作業において不可欠である.しかし,この間が合うことは物理的な同調とは異なることが知られている.したがって人間と機械の協調においても,従来の物理的リアルタイム性に基づく協調に加えて,認知的同時性としての「間」の共有も考慮されなければならない.本研究の目標は,人間と人工物が互いに間を合わせタイミング調整できる共創型インタフェースを構成することにある.昨年度は第一段階として,一定周期のリズム音に合わせてタッピングする、同期タッピング課題におけるタイミング制御をモデル系として,間の指標となる非同期量の時間発展を心理学的に調べた.その結果,能動的注意からの影響を受ける明在的機構と,その影響を受けない自動的機構が協同的に関わる過程であることが示された.今年度は,この成果を踏まえて同過程の時系列解析を行なった。具体的には、非同期量の時間発展のスペクトル解析を行い、そのピーク成分とオフセット成分に分離して解析した。リズム音の周期が600〜1500ms程度の時にはオフセット成分に強い対数則の関係が見られ、1/f^n型のフラクタル的なダイナミクスを示すことが明らかにされた。一方、リズム音の周期が1800〜3600ms程度の時にはピーク成分が顕著になり、固有周期型のダイナミクスを示すことが示された。後者は定常性や安定性を特徴とする力学系であることを意味しており、前者は非定常で不安定であることを特徴とする力学系を意味する。さらに、これら両者のダイナミクスに基づいてタイミング制御がなされる過程の時間発展も解析した。これらの結果は、間(ま)の共創過程のモデル化へ向けての重要な情報となる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Miyake, Y., Onishi, Y., Poeppel, E.: "Two Types of anticipation in synchronous tapping"Acta Neurobiologiae Experimentalis. Vol.64(in press). (2004)
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[Publications] Miyake, Y., Onishi, Y., Poeppel, E.: "Two modes of timing anticipation in synchronization tapping"Tranzaction of the Society of Instrument and Control Engineers. Vol.E-2(in press). (2004)
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[Publications] Miyake, Y.: "Co-creation in human-computer interaction"C Stephanidis & J Jacko (Eds.), Human-Computer Interaction, Lawrence Erlbaum Associates Publishers, London. 513-517 (2003)
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[Publications] Miyake, Y.: "Subjective present and two modes of thinking"Acta Neurobiologiae Experimentalis. Vol.63,no.3. 236 (2003)
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[Publications] 小松知章, 三宅美博: "同期タッピング課題における予測的挙動の時系列データ解析"計測自動制御学会論文集. Vol.39,no.10. 952-960 (2003)
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[Publications] 三宅美博, 辰巳勇臣, 杉原史郎: "交互発話における発話長と発話間隔の時間的階層性"計測自動制御学会論文集. (in press). (2004)