2003 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害を惹起しないアミノグリコシド系抗菌薬とVNC細菌に作用する抗菌薬の開発
Project/Area Number |
15019019
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柏木 敬子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (80169424)
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Keywords | ポリアミン / NMDA受容体 / アンチポーター / カダベリン / アミノグリコシド系抗菌薬 / variable but nonculturable (VNC) / CadB / 聴覚障害 |
Research Abstract |
1.アミノグリコシド系抗菌薬はNMDA受容体のR-domainに結合して聴覚障害を引き起こす。そこで、約360アミノ酸残基よりなるR-domain蛋白質(NR1-R,NR2A-R及びNR2B-R)を大腸菌に大量発現さぜ精製し、ポリアミンの一つであるスペルミンとの結合活性とそれに対するアミノグリコシド系抗菌薬の効果を測定した。スペルミンのKd値はNR1-R,NR2A-R及びNR2B-Rでそれぞれ、17,135及び69μMであり、ネオマイシン、カナマイシン、パロモマイシン及びストレプトマイシンはいずれも150〜300μMでNR1-R及びNR2B-Rとスペルミンの結合を阻害したが、NR2A-Rとスペルミンとの結合を阻害しなかった。この結果はアミノグリコシド系抗菌薬がR-domainのスペルミシ結合部位に結合してNMDA受容体を活性化し、聴覚障害を引き起こすことと良く相関していると考えられた。 2.大腸菌には37種の推定薬剤排出蛋白質が存在しており、これらの蛋白質は大阪大学の山口博士らにより全てクローニングされている。この中で、ポリアミン排出に関与する蛋白質をコードしている遺伝子どして、acrAB、ydgFE、yceA、ydeAの4種を同定した。これらがポリアミンと同様にアミノグリコシド系抗菌薬も排出するかどうか検討中である。 3.CadB(リジン/カダベリンアンチポーター)とCadA(リジン脱炭酸酵素)をコードするcadBAオペロンの発現が酸性条件下の細菌の生育に重要であることを明らかにした。この両蛋白質の発現により、大腸菌の外側の環境を中性化し、かつプロトン駆動力を作ることが明らかとなった。病原性大腸菌が酸性条件下VNCの状態で生存するために、cadBAオペロンの発現が重要と考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masuko, T.et al.: "Polyamine transport, accumulation, and release in brain"J.Neurochem.. 84. 610-617 (2003)
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[Publications] Williams, K.et al.: "Pharmacology of δ2 glutamate receptors : Effect of pentamidine and protons"J.Pharmacol.Exp.Ther.. 305. 740-748 (2003)
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[Publications] Sakata, K.et al.: "Acrolein produced from polyyamines as one of the uremic toxins"Biochem.Soc.trans.. 31. 371-374 (2003)
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[Publications] Sakata, K.et al.: "Increase in putrescine, amine oxidase, and acrolein in plasma of renal failure patients"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 305. 143-149 (2003)
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[Publications] Low, C.-H.et al.: "Molecular determinants of proton-sensitive N-methyl-D-aspartate receptor gating"Mol.Pharmacol.. 63. 1212-1222 (2003)
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[Publications] Soksawatmaekhin, W.et al.: "Excretion and uptake of cadaverine by CadB and its physiological functions in Escherichia coli"Mol.Microbiol.. 51. 1401-1412 (2004)