2003 Fiscal Year Annual Research Report
表皮剥脱毒素スーパーファミリーの作用機構に関する研究
Project/Area Number |
15019068
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅井 基行 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10201568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 環 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90274092)
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Keywords | ETD / 表皮剥脱毒素 / デスモグレイン / MRSA / 結晶構造解析 / セリンプロテアーゼ |
Research Abstract |
本研究では私どもが新規に見出したetd pathogenicity islandの塩基配列を決定し、表皮剥脱毒素ETDが新生児マウスに表皮剥脱活性、ヒト及びマウス表皮細胞デスモゾーム蛋白Dsg1消化活性を示し、特定の黄色ブドウ球菌クローンがETDを産生することを示した(Infect.Immun.70,5835)。またETBがDsg1を選択的に消化することを明らかにした(J.Invest.Dermatol.118,845)。さらにETA, ETB, ETDがDsg1のカドヘリン-リピートの中のLNVIE-GS(P)VFRC(ハイフンの位置)配列を共通して切断することを明らかにした(J.Clin.Invest.110,53)。また、関西で病院外来で採取した伝染性膿痂疹患者由来の黄色ブドウ球菌臨床分離株を用いて表皮剥脱毒素産生性についての分子疫学調査を行った。その結果、ETA, ETBを産生する株はクローンとして存在すること。またその中に80年代までに認められたコアグラーゼ型とは異なる型が多数派として存在し、それがMRSAであることを明らかにした(J.Infect.Dis.185,1511)。さらにこれを発展させ、伝染性膿痂疹発症黄色ブドウ球菌臨床分離株の全国調査を行った。またDsg1のET切断部位特異的抗体を作成、ETDならびにETD S189C変異体の結晶構造を明らかにした。またS.hyicusが産生するET、ExhB, ExhC, ExhDならびにET-like serine protease ORF2の大量精製に成功し、これらの結晶化を開始した。さらにETと基質Dsg1の結合様式を明らかにするためにはDsg1の大量精製が必須であるが、特定の大腸菌constructのみがバキュロウイルスで発現させたDsg1と同等のET感受性を有することを明らかにし、大腸菌を用いたDsg1の大量精製が可能であることを見い出した。これにより念願のET/Dsg1の共結晶化にチャレンジする道が開けた。
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