2003 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球特異的転写因子IRF4の活性調節による過剰免疫応答の制御
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15019082
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山本 一男 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70255123)
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Keywords | リンパ球 / 転写因子 / IRF / 活性調節 / 免疫応答 / インターフェロン / 標的遺伝子 / 至適結合配列 |
Research Abstract |
インターフェロン(IFN)制御因子IRF4は、IFN遺伝子の発現を調節する転写因子として同定されたIRF1と構造的に類似した転写因子群、IRFファミリーに属する分子である。遺伝子欠損マウスを用いた解析から、IRF1との協調関係においてIRF4が優勢に働くとき、宿主を傷害するほどの過剰な免疫応答が引き起こされるデータを得ている。従って、IRF4の活性を抑制することにより、特定の免疫応答を選択的に制御する可能性が考えられる。そこで本研究では、IRF4によって制御される標的遺伝子群を明らかにすることにより、IRF4に依存した免疫応答の実態を把握することを第一の目標とした。IRF4の下流で免疫応答の実際を担う分子群を把握するために、まずIRF4固有の至適結合配列をin vitroで決定することを試みた。アフィニティービーズに固定したIRF4とランダムな配列のオリゴDNAを混合し、遠心操作によりIRF4に結合したDNAを回収した。回収したオリゴDNAをPCRで増幅した後、さらにIRF4への結合と回収・増幅のサイクルを数回繰り返すことにより、IRF4に特異的に結合するDNAを濃縮した。その結果、IRF4は・5'-GAAA-3'のコア配の前後にCpCが付加した配列を好むことが解った。この配列にはIRF1も作用し、下流につないだレポーター遺伝子の発現を誘導することができるが、IRF4を共存させるとその活性は基底レベルまで抑制された。この抑制効果には、IRF4のDNA結合ドメインだけで必要十分であった。次に、514種類のサイトカイン関連遺伝子がスポットされたアレイメンブレンを用いて、IRF4欠損マウスと野生型マウスのT細胞をConAで刺激したときに発現量が異なる因子の同定を試みた.その結果、IRF4欠損マウスにおいてJAK1の発現が亢進し、CCR7の発現が抑制されていることを見出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hiroyuki Murota: "Disruption of tumor necrosis factor receptor p55 impairs collagen turnover in experimentally induced sclerodermic skin fibroblasts"Arthritis & Rheumatism. 第48巻第4号. 1117-1125 (2003)
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[Publications] Yoshitaka Imaizumi: "Expression of the c-Met proto-oncogene and its possible involvement in liver invasion in adult T-cell leukeruia"Clinical Cancer Research. 第9巻第1号. 181-187 (2003)