2003 Fiscal Year Annual Research Report
パン酵母の発現系を用いた病原真菌の多剤排出システムの解析と排出ポンプ阻害剤の探索
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15019122
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
新見 昌一 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 室長 (30118088)
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Keywords | 深在性真菌症 / Candida albicans / 抗真菌薬 / 薬剤耐性 / 排出ポンプ / 出芽酵母 |
Research Abstract |
今回は以下の結果を得た。 1.Saccharomyces cerevisieaeにCryptococcus neoformansのABC transporter, CneMDR1を組み込み、S.cerevisieae細胞膜に大量に発現させた。CneMDR1発現株は、アゾール4剤に交叉耐性を示し、脂溶性が高いitraconazoleに対しては特に高度耐性を示し、構造的に類似性のない薬剤もCneMdr 1pの基質となった。CneMdr 1p、Candida albicansのCdr 1p、C.glabrataのCdr 1pおよび、S.cerevisieaeのPdr5pの発現株のRhodamine 6G排出活性についてはCneMdr 1pが他の排出ポンプに比べて高かった。以上の結果から、C.neoformasのCneMdr 1pはS.cerevisieae発現系において薬剤排出ポンプとして機能し、アゾールのみならず種々の基質特異性を持つことが明らかになった。 2.排出ポンプ発現アゾール耐性酵母株と、微生物培養ろ液、既知物質またはCombinatorial libraryを用いて、アゾールに対して感受性化する物質をマイクロプレート法で検索した。その結果ミルベマイシンあるいはCombinatorial library由来のオクタペプチドが、それぞれ単独では菌の増殖を阻止しないが、アゾールとの併用によってABCポンプ発現株を感受性化し、低濃度のアゾール存在下でも耐性株の発育を阻止した。ミルベマイシンは特にMFSポンプ発現株および細胞膜[H^+]ATPase (Pma1p)の活性には無効であった。以上の結果から、ABC輸送体を特異的に阻害してアゾール剤の効果を高める物質が効率に検出された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 新見昌一: "Chemosensitization of fluconazole resistance in Saccharomyces cerevisieae and pathogenic fungi by a D-octapeptide derivative"Antimicrobial Agents and Chemotherapy. 48,4. 1256-1271 (2004)
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[Publications] 新見昌一: "薬剤耐性遺伝子のパン酵母における発現と機能解析"日本医真菌学雑誌. 45,2(印刷中). (2004)