2004 Fiscal Year Annual Research Report
問題解決型体験学習を支援するVR学習支援システムに関する研究
Project/Area Number |
15020219
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 通孝 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40156716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 光一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (80273332)
山下 淳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員 (80345157)
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Keywords | バーチャルリアリティ / 宇宙コンテンツ / 天文現象の理解 / 時間コントローラ |
Research Abstract |
本年度は,日の出や日の入り,あるいは時差など,地球の自転・公転に関係する現象の理解を促進するためのVRコンテンツと,VRによる仮想的な世界での時間推移を任意に調節することを可能とする時間コントローラを開発した。 1.宇宙コンテンツ VR技術を用いてつくられた宇宙コンテンツは,地上から天体の動きを観察できるだけでなく,そのときの地球とその他の惑星や衛星との関係を,自由な視点から観察できる。このコンテンツは,精密に再現された太陽系全体のシーンと,地球上の4カ所の地上シーンから構成されている。 2.時間コントローラ 天文現象は空間と時間が密接に関連し合っているため,視点の操作に加えて,時間の操作が重要になる。時間の移動に対し,ゲームパッドのようなデバイスの利用は適切でない。そのため,宇宙コンテンツにおいて,時間の操作に特化したデバイスである時間コントローラの開発を行った。時間コントローラには3つのダイヤルが備わっている。今回は左側から月単位,日単位,時間単位で宇宙コンテンツ内の時間を操作できるよう設計した。 3.考察と今後の課題 実験に参加した8名の児童いずれもが時間コントローラを用いることで,日照時間の違いや時差などを理解できていることがアンケート調査などからわかった。しかし,時間の変化と惑星間の関係については必ずしも十分に理解できているとはいえていない。理由としては,時間変化に伴う惑星の動きを俯瞰的な視点で観察することが困難であることが挙げられる。今回のVRコンテンツは惑星の相対スケールなどについて,現実に対し忠実に作成した。しかし,天体の理解においてはそのことは必ずしも十分ではなく,デフォルメする必要があることもわかった。どの程度のデフォルメまでが許容されるのかについては今後の検討課題である。
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Research Products
(5 results)