2004 Fiscal Year Annual Research Report
自然環境・人工環境・情報環境への探索的接触体験と理数系学問への関心との関連を探る
Project/Area Number |
15020239
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
麻生 武 奈良女子大学, 人間文化研究科, 教授 (70184132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天ヶ瀬 正博 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (00254376)
水間 玲子 奈良女子大学, 文学部, 助手 (80343268)
高木 由臣 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90079682)
大石 正 奈良女子大学, 人間文化研究科, 教授 (30112098)
西村 拓生 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (10228223)
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Keywords | 理数科系教育 / 自然環境 / 人工環境 / 情報環境 / 学問への関心 / 探索活動 / 附属学校 |
Research Abstract |
平成16年度には2つの調査を行った。一つは、奈良県下4つの小学校5・6年生計418名へのアンケート調査である。自然環境、人工環境、情報環境の様々な項目について、「興味があるか」・「さらに深く学びたいか」について、尋ねた。重回帰分析の結果、「理科が好き」「算数好き」という意識には、「機械工学的嗜好」因子、「自然ロマン主義嗜好」因子、「生物嗜好」因子が有意な寄与をしており、「IT嗜好的」因子は有意な影響が認められなかった。コンピューターやパソコンへの関心が「理科好き」と関連しなかった点や、「自然ロマン主義嗜好」や「生物嗜好」の因子得点の高いものが必ずしも「科学の進歩」に肯定的ではなかったことは興味深いことである。もう一つは、附属中等学校の生徒597名(中学1年から高校2年まで全生徒)と附属小学校の児童240名(小学3年から6年生まで全児童)へのアンケート調査である。この調査では、理数的センスにからむと思われる34の遊びについての「好みの程度」・「体験の程度」や、21項目の自然事象についての「不思議に思った程度」や、「科学観」や「教科の好き嫌い」や将来の「希望職業」などについて尋ねた。「好む遊び」にも「遊びの体験頻度」にも、因子分析の結果、男女には興味深い相違が認められた。「不思議感」の因子構造にもかなり大きな違いがあった。重回帰分析の結果、女子においては「自然物の姿や成りたち」「存在のサイクル」「物象変化」などに不思議感を抱くことが、「生きものへの関わり(遊び)志向」の強さと強く関連していた。男子においては、そのような明瞭な結果は出なかった。
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