2003 Fiscal Year Annual Research Report
社会問題と科学知識とをつなぐオンライン教材の開発-放射線を例として-
Project/Area Number |
15020260
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
井上 浩義 久留米大学, 医学部, 助教授 (10213175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐原 梢 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (90080564)
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Keywords | 放射線 / 原子力 / オンライン教材 / 医療放射線 / 原子構造 / 学習指導要領 / 放射線教育 / オフスクール学習 |
Research Abstract |
放射線教育教材の開発に先駆けて、現行学習指導要領における放射線教育の扱い、並びに諸外国における教育内容に関して調査を行い、更に、教育現場における放射線教育の実際および教諭が放射線・原子力に関して、望ましいと考える学習内容の調査を行った。教育現場における調査では、中学校・高等学校の理科あるいは工業科教諭との個別調査あるいは原子力体験セミナー(文部科学省主催)に参加した小・中・高等学校教諭との集団討論によって、各課程において付けたい力(学習目標)としての放射線・原子力関連学習内容をまとめた。これらの調査を基礎として、小学校では「環境問題と原子力」、中学校では「医療と放射線」、そして高等学校では「原子構造と放射線」という結びつきで学習を展開することが望まれていることが明らかとなり、現在までに、高等学校向けのオンライン教材として、「原子構造、崩壊、半減期、確率」を学習できる教材ならびに中学校向けオンライン教材として、「放射線、医療、人体探索、CT」を学習できる教材を作成した。この他にも、自然放射線映像などもオンライン化したが現在までに体系化されていない。上記試作教材に関しては、既に放射線教育ネットワークを形成している高等学校(40名)および工業高等専門学校(120名)にて実践を行った。この時の評価をもとに、能動的な学習が可能な形式に現在、内容および構成を改善中である。 なお、本研究課題遂行にあたっては、放射線・原子力教育は、合理的な思考だけでなく、国民の社会的認識としての安心、平和、そして原子爆弾による痛みを認め、互いに思いやる心を基礎として取組んでいる。
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Research Products
(1 results)