2004 Fiscal Year Annual Research Report
独創的発想とともに論理的思考力を育成する教授・学習支援システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
15020261
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
永井 由佳里 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (80320646)
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Keywords | 科学教育 / 理数科系教育 / 創造性 / デザイン / 知識科学 / 教育工学 / 学習支援 / 学習プロセス |
Research Abstract |
理数科系教育における独創的発想の特徴と論理的思考力の特徴の理解,その構造の解明を行い,それに基づき,創造型の科学教育における創造的思考過程とデザイン思考の役割を位置づけた.そこから,独創性を育成する具体的な課題の提案,知識創造としての理数科系教育の実践を目的とする教授・学習支援のためのコミュニケーションとプロセスのモデル化,ITによる課題試案までを達成した.創造性の育成では,特に新しい概念の創出を重要視し,思考過程の構造解明をめざし,概念融合,ことばとイメージの変換過程,カテゴリー変容過程の研究を行った. 研究実績として、創造性と独創的な発想、論理的思考との関係性について、実験に基づく考察と創造的思考過程のモデル化、及び創造型・自律型の科学教育のためにデザイン思考がどのように寄与するかについて理論構築を行った点があげられる。 教育実践の場では、高等学校において、ものつくりと理数科の接点が求められている。本研究は、実社会で創造性の本質と深く関わるデザイン知識を基盤に、知識創造という知見から、創造プロセスの理解に重点を置く教育を実現するためのプロジェクトを計画し、その教育コンテンツとなる創造過程の事例を考案するために一連のデザイン実験を行った。結果、概念的なレベルでの創造性につながる独創性はデザイン知識のマネジメントという観点から操作しうる可能性を見いだした。教授・学習支援を知識マネジメントとしてとらえることで、独創性や論理的な思考力を育成するための方策への手がかりが得られた。例えば、概念合成実験の結果から、類似性判断という認知構造が、独創性と関連性をもつことが示された。これらの結果を踏まえ、理数科系教育の内容として創造性育成プログラムをデザインすることが次の段階での目標として得られた。 研究成果は、日本科学教育学会、日本認知科学会等、教育や情報に関連する学会で発表を行った。
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Research Products
(6 results)